「そろそろ、帰ろう」木の上の軍隊 MARさんの映画レビュー(感想・評価)
そろそろ、帰ろう
本島最後の防衛線である沖縄の島に米兵が上陸…。圧倒的な戦力差の前に逃げ込んだ木の上にて極限状態となる2人の様子を描いた作品。
序盤から胸が締め付けられる展開。軍人民間人関係なく容赦なく吹き飛ばされていくシーンは目を覆いたくなる程。大艦隊が見えた時の絶望感よ…。
そして始まる木の上での日々。ただでさえいつ敵が来るかわからない緊張感の中、渇きと飢えも2人を襲い…正気じゃいられませんよね。
山下少尉も、心のどこかじゃわかっていたんじゃないかな…。当時を知らないワタクシ達からすればセイジュンに寄り添いたくなるが、負けた方の家族…確かにこの意味を考えると、少尉もただ盲目的に日本の勝利を信じていたわけではないのだろうな。。
ここの描写は胸が張り裂けそうになった。
その後も、大切な人や家族に対する想いがこれでもかとぶつけられてくるが、ちょっと同じ様な場面が続いて、映画としては体感3時間を越えるような冗長さも少しあったかも…。
思いの外、コミカルなシーンも挟んできたのは良かったけど。
終戦を知ったときはどんな気持ちになったのだろう…我々には計り知れませんね。それでも希望のあるラストだったと信じたいです。
そして…前まではこういった戦争映画に感動できていたが、最近ではなんだか観てて本当に怖くなってしまいますね。
各地で争いは終わらないし、ここ日本も治安の悪化の一途を辿り…取り返しのつかないことになる前に、なんとかなって欲しいものですね。
コメントする