劇場公開日 2025年7月25日

「木の上の軍隊」木の上の軍隊 野球小僧さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 木の上の軍隊

2025年8月17日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

山田裕貴くんが出るということで、ます映画のタイトルが頭にあり、その後『実話に基づく作品』で『舞台が伊江島であること』などを少しずつ知りました。

伊江島には修学旅行の引率で数回行きました。『東洋一の飛行場』『戦争中にものすごい数の砲弾が撃ち込まれたこと』『島民が身を潜めたガマ』など、自分なりには知識を持っていたつもりでしたが、それはただの活字から得た知識であり、スクリーンの中で島民が飛行場を作る作業や壊す作業、戦争に巻き込まれていく様子を目にすることで「こういうことだったのか…」と。軍人と民間人の考え方の差、沖縄の若者たち、老人や女性、子供たちの姿、表情…。

私の知る現在の伊江島はとても美しい島で、島民の皆さんが民泊で温かく迎えてくれて…。

観終わった時、『戦争映画で今まで一度も感じたことのない気持ち』になりました。悲しい、哀しい、苦しい、怒り、憎しみ、切ない…言葉にならないものが、身体の中というか頭の中というか、心の中に入り混じって沈殿して、ただ虚脱感…。

『戦争はいけない、戦争は許せない、戦争反対…。』もちろんそうなんだけど、その前に「なぜ?…、どうして、どうするんだよ!まさに命も生活も笑顔も人間関係も何もかも『戻らない』じゃないか…。どうするんだよ…」

映画から得る教訓とか、感動とか、哀しみの中から学ぶこととか、歴史とは、人間とは、戦争とはなどということに関しての考えは数日後に頭や心が動き出してからのことで、『映画を観ながら、そして観終わって、一度『救いのない状況』を目撃してしまって呆然となる感覚に放り出される』そんな気持ちになりました。

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野球小僧