「惨さ」木の上の軍隊 映画好きな大学生さんの映画レビュー(感想・評価)
惨さ
2年間。2年間という月日があれば、人は変われる。外見も、内面も。高校に入学したばかりの人は、2年経てば卒業する年にもなる。
2年という時間はそれだけ、長い時間。
彼らは2年もの間、終戦を知らずに生き抜いた。
今の時代のようにスマートフォンがあるわけでもなく、暇つぶしのボードゲームがあるわけでもない。彼らは毎日、朝の見回りから身を隠し、一日中警戒しながら息を殺して過ごす、そんな時間を2年間も過ごした。
飢えに苦しみ、虚無感に苦しみ、そんな計り知れない苦しみをスクリーンで目の当たりにした時、改めて戦争というものの惨さを痛感した。
セイジュンや山下は生きるためなら、何でも口にする。虫でも、残飯でも、何でも。私はこの作品を見ながら映画館で購入したポテトフライを食べていたが、思わずその手が止まってしまった。
彼らにとって、好きな食べ物や嫌いな食べ物を選んでいる暇はない。だからこそ、好きな時に、好きなものを選んで食べることができる今自分がいる環境に、改めて感謝せねばならないと感じた。
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