「山下少尉が米兵の小便を浴びる姿が滑稽」木の上の軍隊 jazz須磨さんの映画レビュー(感想・評価)
山下少尉が米兵の小便を浴びる姿が滑稽
那覇港から与論島へ行く途中に眺めた伊江島は、島の中央にある城山以外は平らで、とても優美で印象的な島でした
この映画は、この島を舞台に米軍との戦闘で、城山のガジュマルの木の上で、生き残った軍人二人の実話ですが、山田裕貴演じる安慶名は、この島で現地召集され、他にも住民は徴用・勤労奉仕・防衛隊・義勇隊という名で戦闘参加を強いられ、沖縄戦同様に多大な民間人犠牲者が出た島でした
堤真一演じる職業軍人の山下少尉は、戦闘で殺した数の自慢や、精神論による女子の竹槍訓練等、見ていて笑ってしまうバカげた軍人の象徴的行動で、映画でも民間人を守らない軍人の姿勢が一部出ていましたが、身勝手な軍人の代表の山下少尉が米兵の小便を浴びる姿は、井上ひさし氏のせめてもの反戦の表現だと思いました
1944年5月からバカな日本陸軍幹部によって、平ゆえに米軍に対抗する飛行場建設を、島の住民や沖縄等から民間人を使って伊江島で始められ、6月にマリアナ沖海戦で制海・制空権を失うと、その後完成間近の飛行場を破壊し、10月10日には、この飛行場を米軍に爆撃され、同時に住民の避難手段の船も破壊され、以後1945年1月22日、3月1日、3月23日にも空襲を受け、3月28日には艦砲射撃と爆撃の両面攻撃を受け、4月16日に米軍が上陸し、対抗して戦う日本軍は戦力が無く、夜闇に乗じて箱型爆雷を背負い敵陣地へ侵入し、爆雷もろとも体当たりする陸上特攻を仕掛けるしかなく、4月21日に日本軍が玉砕した島だと知りました
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