「見捨てられた兵士の惨さを感じた。生きる為の死の地獄を味わう!」木の上の軍隊 The silk skyさんの映画レビュー(感想・評価)
見捨てられた兵士の惨さを感じた。生きる為の死の地獄を味わう!
7月が酷い猛暑の中 過ぎ去って・・・。
災害大予言も場所が全く異なったけど大津波があってそれはそれで驚いた。
マグニチュード8.7 カムチャッカ半島地震。でも北海道は震度1。津波は迫り来るという。正直 ひょっとしてロシア原潜爆破事故か誤作動魚雷発射で海底20KMを撃ったのかと 勘繰ったりもしたのだが。
そんな中、
実は 先日公開日に「木の上の軍隊」を観に行ってました。
実話ベースの沖縄の伊江島戦の話。
終戦近い1945年4月~米軍上陸そして終戦を経て1947年3月帰るまで。
・上官(宮崎出身:山下一雄 役):堤真一さん
・新兵(沖縄出身:安慶名セイジュン 役):山田裕貴さん
二人は過酷な戦場の中、ガジュマルの樹上で生きのびて生還する。
昼夜問わず敵兵が迫る地上戦。
飲む事も、食べる事も、眠る事も、休む事さえままならない戦況。
唯一彼等を救ったのはガジュマル。
敵に撃たれなかったとしても、飢えで明日死ぬかも・・・この思い。
助け合いが必要なのに この期に及んで上官、新兵。互いに相容れない状況が続く。
素朴に島に育った セイジュンの思い、 この島は昔と変わってしまった。もう戻れない。
滑走路を造れと指示されたり、出来たと思えば爆破しろと言われたり。
あの場所が元々がどんな場所で有ったかも もう思い出せないです・・・
この戦争に駆り出されて 犠牲となった兵士セイジュンの思い。
島の新兵の友人も、友人の妹も、おかあも、みんなこの戦争の犠牲に成ってしまって、このやり切れない思い。
こんな状況になっても、敵兵に狙われ続けて 死ぬことも出来ず
食べる事も出来ず、相容れない人(上官)と一緒に居なくてはならず。
何て残酷なんだと・・・つくづく思う。 惨い、何物でもない。
しかし相容れないとは言え上官。
死にそうな人を置いては行けず、助けなければならない。
「上官、日本の食べ物が有りました。これを食べて下さい。僕は敵兵の食べ物を食べますから」 本当は敵兵の缶詰を日本の入れ物に移して渡したものだった。
こんな思いをしてまで、相手を思いやらなければならない状況のセイジュンに凄く同情し私は涙した。
本当の沖縄の訛りでは無いと思うが、山田裕貴さんの一つ一つの演技が 沖縄出身で 地元の島で戦う新兵の有り様を実によく表現していたと感じました。
本当に良かったです。
終戦後 島も平常となって島民の誰かが 兵隊への為に置いた食べ物と手紙。
” 戦争はもう終わったんですよ。出て来て下さい、セイジュン ”
自分の帰る場所が有るって事。自分の名前を呼んでくれる人が居るって事。
どんなに それが 嬉しかった事か。
無情にも 騙されるなと言う上官の言葉も分からないでは無いが、
ここの 彼の素直な思いは本当に涙して感じました。
戦争に負けても帰る場所が有って良かった。本当にそう思いますね。
もうすぐ、8月15日終戦記念日
この映画を感じて 今年は少し違う思いで
手を合わせられそうです。
ご興味ある方は
是非、ご家族揃って
劇場へどうぞ!!
いつも共感ありがとうございます。
そして長崎、閃光の影での方にも共感ありがとうございました。
堤さん山田さんのお二人の息の合った演技に引き込まれました。
特に山田さんの心に訴えてくる所はグッとくるものがありました。
共感ありがとうございます!
こうして史実がマスコミに報道されたり、演劇や映画の作品になるのがありますが、祖父母の話を聞くとこの様な作品にならない史実がたくさんある事に驚きます。特にシベリアに抑留されて無事に戻ってきた話を聞くと自分の事のように泣けてきます。