「血の丸の旗印」木の上の軍隊 uzさんの映画レビュー(感想・評価)
血の丸の旗印
導入では状況の分かりづらさや言葉の聞き取りづらさで嫌な予感がしたが、以降は圧巻でした。
飛行場の建設や竹槍訓練の場面は正直退屈で、堤真一含めて台詞回しもイマイチ。
死亡フラグの露骨さもサスガに気になる。
しかし、米軍の上陸から先は緊張と弛緩の連続。
銃声や爆発音は耳に響くもので、死が隣にある状況が肌を刺すよう。
子供の死はあざとさを感じるし、遺体のエグさはもっと出すべきとは思うが、それでも十分にツラかった。
本編のほとんどは堤と山田の壮絶な二人芝居。
靴と蝉と与那嶺の話で笑わせてきたり、関係がくだけていく様子に和んだりと意外と固すぎないのもいい。
エロ本で交渉するくだりなんかも好き。
しかし状況を考えれば呑気にしている様子こそ異常であるし、勿論張り詰め怯える状態も異常に他ならない。
正常な場面などまったくないのだ。
友人のように笑い合ったと思えば急に上官と部下に戻ったりと、2人の情緒不安定さがよく表れていた。
飢餓状態での虚ろな目や力の入らぬ声は、実際に断食して撮影したのかと思うほど。
説明し過ぎないところは好感を持ったが、そのぶん缶詰め入れ替えの件だけ3度も擦ったのが目立つ。
(空き缶のアップ、山下の気付き、安慶名の日記)
演出、特にBGMの使い方にはわざとらしさも…
だが終盤に安慶名が見た幻覚の中で、BGMが止まるタイミングと子供の視線にはゾクリときた。
「帰りたい」と子供のように繰り返す安慶名に、山下が息子を重ねるシーンの子役も見事。
中身があまりに地味な上にやや冗長になってしまっている点は残念だが、これもひとつの戦争の形と実感できる。
伊江島出身のAnlyを起用したことを見ても、しっかり伝えようとする意思を感じました。
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