「木の上の2年間。 それは、“戦争が終わらなかった男たち”の静かな記録。」木の上の軍隊 シネマ紳士さんの映画レビュー(感想・評価)
木の上の2年間。 それは、“戦争が終わらなかった男たち”の静かな記録。
戦争映画というより、“生き延びること”そのものに焦点を当てた人間ドラマとして描かれる作品だった。
実話に基づく物語であるからこそ、演出も過剰なドラマ性には走らず、どこか冷静に歴史を見つめている印象があり、堤真一と山田裕貴、二人の俳優が徐々に体現する「生きるしかなかった人間の姿」に自然と引き込まれていった。
ただ、物語の中盤以降、木の上での生活が本格的に始まると、シチュエーションの特性上、場面展開は少なく、緊張感も徐々に薄れてしまい、視覚的な動きも少ない分、観る側に「思考」や「感情」を委ねる時間が多くなる。
退屈と感じるか、静けさに浸れるかは、観る人の心持ち次第かもしれない。
• 世界へ入り込む度:★★★☆☆
• 感情ゆさぶられ度:★★★☆☆
• エネルギー消費度:★★★☆☆
• 配信でも観ます度:★★☆☆☆
• 人にすすめたい度:★★☆☆☆
【制作エピソード】
作中、極限状態の兵士がウジ虫を食べるシーンがあるが、山田裕貴は「当時の過酷な現実を嘘偽りなく演じたい」と、美術チームが用意したダミーではなく、自ら志願して本物のウジ虫を食べて撮影に挑んだ。
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