「「おかえり」が聞きたかった」木の上の軍隊 MiMaさんの映画レビュー(感想・評価)
「おかえり」が聞きたかった
山田裕貴さん演じる安慶名が抱く「生きたい」「家族に会いたい」「帰りたい」という切実な思いが、観ているこちらにも痛いほど伝わってきます。安慶名のやわらかなまなざしと、人間らしい優しさに、何度も心を救われました。
極限状態の中でもなお、他者への思いやりを失わないその姿には、深い敬意を抱かずにはいられません。
観終わった後、「良かった」とも「悪かった」とも言えない、不思議な感覚に包まれました。ただ、心が痛むのです。2人の静かな時間、耐えることしかできない日々を目の当たりにして、まるで自分も一緒に息をひそめていたかのような感覚を覚えました。
山田裕貴さんがおっしゃっていたように、この作品には前向きにとらえられる部分も確かにありました。理不尽な状況の中でも、人を思いやる心や、生きようとする強さが描かれていて、それはとても美しく、希望の光のようでした。
それでも、やはり多くの場面では、苦しみや孤独、報われない思いに胸が締めつけられました。
ラストには、「生きていてよかった」と思えるような、人のぬくもりに触れる映画のシーンがあってほしかった。
たとえば、誰かが「おかえり」と迎える場面や、待っていた人との再会。ほんの短い描写でも、映像としてそれがあれば、この長い物語の終わりに、救いや希望をより強く感じられたと思います。
もちろん、2人は帰還したのでしょう。でもその「帰る姿」や「待つ人の存在」を画面で見たかった。それだけが、最後に心に残った痛みでした。
>たとえば、誰かが「おかえり」と迎える場面や、待っていた人との再会。ほんの短い描写でも、映像としてそれがあれば、この長い物語の終わりに、救いや希望をより強く感じられたと思います。
そうですよね、「おかえり」とだれかに迎えてもらって「ただいま」と返す、そこまで含めてが、「帰りたい」ですよね。
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