シケモクとクズと花火とのレビュー・感想・評価
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変わるきっかけはふとした出会い。人生って捨てたもんじゃない
静かで不器用な大人たちの、ちいさな再出発の物語。
舞台は広島の小さな居酒屋「まめすけ」。
路面電車の走る鷹野橋交差点、呉の穏やかな海、安登駅。観光地ではない「生活の風景」が、登場人物たちの感情と静かに重なり合っていきます。
登場人物たちはみんな、ちょっとクズで、ちょっと不器用。
でも、誰かと関わることで、自分の人生を少しずつ見つめ直していく。
大きな出来事じゃない、些細なきっかけで、人は少し変われる。
その“変化”を、押しつけがましくなく、でも確かに描いている映画でした。
印象的だったのは、まるで日常にひびが入るように繰り返される“異質な光景”。
日常から少し外れたその描写が、この作品をただのヒューマンドラマにとどまらせない力を持っていました。
主演の遠藤祐美さんは、舞台挨拶で「タバコを吸ったことがない中でどう末子らしく見せるか悩んだ」と語っており、役に対する真摯さが印象的。
山岸謙太郎監督の「観光名所ではなく“生活の広島”を描きたかった」という言葉も、この作品の世界観そのものだと感じました。
主題歌・近藤夏子さんの「Good day by day」も、物語にそっと寄り添うような優しさがあって素晴らしかったです。
ラストまで観て、ふとまた最初から観たくなる。
2回目に観ると、違う印象が胸に残る、不思議な作品です。
この作品は現在、広島にて先行公開中ですが、今後全国上映も予定されています。
おすすめする映画です。
不思議な未子の魅力にハマった
広島の居酒屋まめすけの店員・34歳の杉山末子(遠藤祐美)は、夢も無く恋人も居なくて実家暮らし、仕事はテキパキとこなすが、ストレス発散のため他人や世間に毒づく日々を送っていた。そんなある日、24歳の山根朔人(仲野温)が新しくバイトとして加わった。彼は広大生で容姿端麗、コミュ力抜群だが、虚勢を張った生活を送り本気になれない恋愛に虚しさを感じていた。性格や価値観が正反対の未子と朔人の2人は、居酒屋の大将と女将の不倫を疑い、尾行してた際、車椅子の老人たちが金属バットを持ち集団リンチをしている現場を目撃した。この現場に居た見張り役の少女アコ(森美雨)から脅され、彼女に協力することになった。そんな3人はトラブルに巻き込まれながらも絆を深めていき・・・そんな話。
地元広島先行公開。
三十路のパラサイト独身女性が寝っ転がってシケモク吸うなど、日常が自然でおかしかったり、失踪事件を探るミステリーっぽくも有りで面白かった。
呉線の安登駅が出てくるが、家みたいな駅らしく、行ってみたくなった。
未子役の遠藤祐美が深津絵里の様な久本雅美の様な雰囲気が有り、面白くて印象的だった。
朔人は最初チャラ男の様で嫌な奴だと思っていたが、終盤就活で本音を言う所など成長したのか変わったのか、いずれにせよ嫌な奴ではなくなったと感じた。
東ちづるは白髪混じりの高齢者役だったが、相変わらず美しかったし上手かった。
アコ役の森美雨は初めて観たが、雰囲気がももクロの赤みたいで可愛かった。
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