劇場公開日 2025年4月11日

「いつかまた彼らに会いたくなる映画」シンシン SING SING 青樹礼門さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5いつかまた彼らに会いたくなる映画

2025年5月1日
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鑑賞方法:映画館

80%の収監者が、アメリカ警察司法制度により、有罪判決がでていないにも関わらず、階級や人種差別によるもの、とパンフにあり、衝撃を受けた。

そんな不遇な立場の彼ら、そりゃ誰だってヤケクソになるだろう。
それでも、じぶんがやりたい役で自由な喜劇を演じる事で、あらたな自分を発見していく。

お互いが、お互いの過去を見つける。ともに励まし合い、よさを発見していく。
私は、尊厳とは、その人らしさを認めることだ、と学んだ事があります。

この映画の何よりすごいのは、ほぼ全員が、かつての収監者であり、本人役を、演じている!

心に響くセリフが、たくさん。
彼らの全身から確信を持って、生きてビシバシつたわる。

プロセスということば。
自分が今会いたい人はだれか目をつぶって思い出しなさい。

コンピュータやアニメが作り出せない人間臭み、不器用で愛すべき人間による、人間のための、圧巻のヒューマンドラマ。

そうか!
だから、演劇や芝居が、古からあらゆる時代を経てもなくならないのだ。みんな人間がみたいのだ。

ひとりひとりは弱いけど、人間はすばらしい。
人間は弱いけど、ひとりひとりは、すばらしい。
モーツァルト魔笛の歌詞を思い出しました。
観たことない、傑作です。
満席でした。

余談
ミュージカル映画プロデューサーズで、シンシンが出ますが、あれはギャグじゃなくて本物だったとは!
人生はやり直すことができる。
じぶんが世界を決めるのだと。
ブレージングサドルもシンシンのセリフに出てきたし、メルブルックスはやはり偉大なんだなあ、私は大好きだ。

青樹礼門
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