「静かに心に沁みる」シンシン SING SING alvoさんの映画レビュー(感想・評価)
静かに心に沁みる
実際の元囚人が演じてるというところに興味を惹かれて鑑賞。主演の二人くらいは俳優かと思ったらまさかのDivine Iは本人だった。(divine xが二人いるのがしばらく理解できず、人物の見分けは最初難しかった。。)
そしてフィクションならきっと彼が最後やらかして上演が危うくなるとかとか、仮釈放目前に詐欺の被害者と揉めてパーになるみたいな感じかなと冒頭思ったが、見事に演劇、RTA rehabilitation through the artsによって感情を制御し牙を抜かれていった。最初、所内で詐欺働くやつなんて入れなきゃいいのに、って思ったがそんな彼をも改心させるアーツの持つ力は強大だった。。実際はもう少し紆余曲折あったとは思うけど。事実は小説ほど都合良いアップダウンはない。
日本社会で例えばスポーツに打ち込む子どもが非行に走りにくい(と思われる)ように、何かに本気で向き合うことはとても意味があるし、それが自分の内面と向き合う演劇という世界だからこそ人の心を溶かしていったんだろうなとは思わせる。「プロセス」と呼ばれる、心を開く練習は私にも辛そうでやりたくない。
「ここではニガー(黒人蔑称の?)じゃなくて相棒と呼ぶ」というところ、元はbeloved?直訳すると愛されし者!?和訳工夫したなあと感心したが、だとしても収容所で大罪犯したヤンチャな人たちがそんな優しい言葉で互いを呼ぶのか?というのはびっくり。根がやはりクリスチャン文化の国だと愛は身近なのか。。?divine (神聖) だし?
マイクマイクと夜語るくだりだけ長いな、と一瞬飽きたら直後まさかの展開で飽きた自分を恥じてしまった。。一瞬一瞬を大切にしなければなのね。。