「罪を犯した人に対する正しい接し方」シンシン SING SING おきらくさんの映画レビュー(感想・評価)
罪を犯した人に対する正しい接し方
刑務所が舞台の作品では、厳しい監視下の元での刑務生活の厳しさが描かれがちだが、この映画だとそういう場面は最初に少しあるだけで、基本は学園生活っぽかった。
収監者更生プログラムの舞台演劇は部活動みたい。
見た目はゴツい人だらけで『ROOKIES』みたいな設定だが、みんな常識人ばかり。
どんな理由で刑務所に入ったかはあまり描かれないが、刑務所がちゃんと更生する場所として機能していることがわかる。
そんな中、新入部員のディヴァイン・アイが加入後、悪態つきまくってチームの和を乱すわけだが、この映画を観ていて思ったのは、問題を起こす人間に対し、簡単に見放さすのではなく、粘り強く寄り添うことの重要性。
主人公・ディヴァインGが利他的行動をとることによって、後に絶望的状況に陥ったディヴァインG自身を救うことになる作りは見事。
後半の「話、聞こうか?」に感動。
あとこの映画を観て感じたのは、冤罪の罪深さ。
人格者で模範的だった人物が、狂人になってしまうぐらいの絶望感を与えているわけで、冤罪を受けた苦しみは、他人が想像できるレベルを遥かに超えたものがあると痛感。
それなのに、冤罪を必死に真剣に訴えている人間に対し、「演技?」という台詞を聞いて、刑務所より世間の方がよっぽど冷たく感じた。
エンドロールがhimselfだらけで、そういう仕掛けがあったと知らなかったのでびっくり。
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