「かなり個人的な感想です。」近畿地方のある場所について もさんの映画レビュー(感想・評価)
かなり個人的な感想です。
元々あまり期待していなかった。小説では子を亡くした母や母を亡くした子がかわいそうだなと思って、途中で読むのをやめていた。
しかしながら、映画はとても良かった。私にも小さい息子がいるので、子供を亡くした母親の気持ちにリンクしやすい。出産後、夫とどうも子育てに関してスタンスが違うなと違和感を持っていたが、この映画を見て、私が狂おしいまでに子供のことが大好きなことを再認識した。
私の子はだいぶ手が離れてきたが、とにかくかわいく思えて、それに加え万が一のことがあったらどうしようとかも考えてしまい、なんかこう、不安とか、愛とか、寂しさとか、かわいいとか、言いようのない感情がずっとあるのだ。その感情が、映画を見ることで処理できた気がした。
このお話の最後は、千紘が異常に亡くした子へ執着していて、異形なものを呼び寄せていたという実はラスボスでしたなどんでん返しがあり、母子愛に共感してる身としてそれがとても良かった。誰でも大切な人を亡くしたら、なりふり構わず復活を願うだろう。
最初はただただ不気味な映像が続き、特にニコ生の画面を映画館で見るのは新体験でちょっと面白かった。あとマジのお化け屋敷になってる個人宅の演出も不気味で良い。首吊り実績が得られる度にわっかを飾っているんでしょうか。
白い手が木や喫茶店のとこからにょろんとしてるのも超怖い。首が折れたあきらくんは怖いしかわいそうで見れなかった。
ただ、物語の真実が明かされるにつれ、どのモチーフもとても愛しくなってきた。
トンネルでの母子の協力プレイは良かった。「菅野、いっけえええええええ!!!!」と手に汗握ったし、母子2人でトンネルにいるのを見て、最悪な別れ方したけど、一緒にいれて良かったなと思った。
白い手も、お母さんを探すようで大変かわいく思えるようになった。こだまの進化系みたいなモンスターもかわいい。「結局モンスター倒す系ホラーかあ」っていつもなら思うけど、お母さん探してるなら仕方がないね。めっちゃ手があって探すの便利だね。
失踪した編集長夫婦はなんか編集長眼帯おじさんでかっこええし、妻がおかしくなってずっとコンテンポラリダンスしてておもしろかった。上でうるさすぎる。
小沢くんが地下の資料部屋でおかしくなるとこもなんかかっこよくて鳥肌だった。
ただこの時は、千紘はおかしくなった小沢くんの目を覚させてるので、他の方が書いてるように、首吊り屋敷の勢力と千紘がハマった勢力は対立してるのかもしれない。小沢くんを石のとこに連れて行かないと意味ないのかもしれない。なんでわざわざ夜に行くん?って思ったけど、最後意味わかった。
てか石っていうモチーフもなんかチープでいいな。とはいえ奥深いよな、石。実は宇宙からもたらされた石で、人間の血を吸おうとしてるのを首吊り屋敷勢力が阻止してるのかもしれない。
最後の千紘はモナリザのようだった。子供はなんかちょっと触手みたいな人外になってしまったが、千紘が癒されてるならいいのかもしれない。小沢くんはまあ、ごめんなって感じ。
この映画を見ることで、自分の子への愛が異常だなと認識できた。ありがとうございました。
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