「ラスト10分、それまでのイメージがひっくり返される」近畿地方のある場所について callさんの映画レビュー(感想・評価)
ラスト10分、それまでのイメージがひっくり返される
いやー、怖かったですね。
序盤からじわじわ迫ってくる展開。
あえて多くを語らない手法。
「え、なに、なんなの」という超展開で頭が追い付かない。
やがて「謎」の奥にいたはずの気味悪さが、隣にいる人物の気味悪さへと変化して……。
はい、原作の単行本未読、文庫版は履修済み(これダメらしいですね。単行本版も読みたい)で映画を見てきました。
文庫版で読んでいた作品とストーリーが絡むような違うようなという「映画化に向けたシナリオ変更」なのか、「実は単行本版ではそうだった」なのかわからないまま翻弄されました。
全体的に「こわいこわいこわいこわい」という雰囲気でしたが、特に秀逸だったのは三点。
1.トンネル。バック中にあらわれる子供の所作がとてつもなく不気味でした。
2.佐山さんの奥さん。多くの説明なしでのアレ。また佐山さんの知ってた感。何があったのかわからなさすぎて怖い。
3.ニコ生の突撃。そうそうあの時代のわけわかんなさってあの感じですよね。こわ。
で、ここまではいい点です。
ここまでの状態だけですごく良作ホラー。怖いです。
あのハードルあげすぎ宣伝に対してちゃんと食らいつけています。素晴らしい。
ただね。「コダマじゃん」って思った瞬間にすっと冷めちゃったんです。
トンネルの女を轢いた瞬間に「物理が効く!」という衝撃はありました。まあこれはたまに見かけるからまあいい。殺せたわけじゃないし。起き上がってるからゾンビ的なホラーだし。
でもあの闇落ちしたコダマというか、ダイダラボッチになりかけのコダマが怖いとは思えないのです。いや実際に、現実で見たらあれは怖いのはわかるんですけどね。
なんていうかもう得体のしれない迫りくる恐怖、謎のホラーから、千と千尋のカオナシみたいな恐怖に変わるんです。ジブリつながり。
その一点。ラスト10分だけ残念でしたが、それはコース料理のメインディッシュが期待した味付けと違ったってだけで前菜からデザートまでおいしくいただけました。
全体的な低評価はなんなんでしょうね。やっぱ宣伝がハードルあげすぎ?それとも私と同じでコダマに拍子抜けさせられた?
ちょっと今から皆さんのレビューを拝読してきますね。
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