「前半4点後半2点の説明不足過多」近畿地方のある場所について うさぎさんの映画レビュー(感想・評価)
前半4点後半2点の説明不足過多
[映画の前半部分は面白かったな、となっている方はぜひ先に原作をお読み下さい…]
原作(カクヨム版、書籍版、文庫本版)履修済みで、映画化と聞き楽しみに見に行ってきました。
前半の調査パートはモキュメンタリー調で概ね原作をそのまま映像にしてくれたような再現度で、林間学校の映像での子供たちの声がすごく不安な気持ちにさせてくれたり、首吊り屋敷の凸映像も凄くクオリティが高く、ざかざかとした画質や音声がとても気持ち悪く怖がらせてもらえました。これから起こる展開にわくわくできるクオリティでとても楽しかったです。
前半部分での不満点は、原作で重要な立ち位置に居るはずのまさる生存時の本当の話が昔話で上書きされてしまっていることで映画全体がよく分からなくなってしまっていると感じました。
柿の木問答、信仰の薄れ、得体の知れない物を神と崇めてしまうことがいかに禁忌であるかなど個人的には1番そこ聞かないと原作のような気持ち悪さは味わえないよな…となりました。絵本作家のおばあちゃんが出てきた時本当のやつが聞けるかな?と思ったのですが無かったので残念です。
後半パートは完全に白石監督節で、幽霊を車ではねたりジブリみたいになっちゃったまさるが出てきたりして原作や前半とは切り離して見た方が面白かったです。あの便利な目玉たちなんなんですかね。というか小澤くん吸収されてましたけどまさるが取り込んだ後の人間の体をダムや飛び降りで捨てるっていう設定はどこいっちゃったんですかね。思いっきり岩が体ごと吸い込んじゃってましたけどなんだったんでしょうか。
真っ白い手がおいでおいでと木の後ろから出ている、というだけで十分に怖いのでそれで良かったのに!!!それを求めていたのに!!!雑なCGで全身出てこないでくれ!!!となりました。
オチは映画館の大きな映像で、私はもう全てを伝えてしまいました部屋の隅に男の子が見えますそういうことなのでしょう…と言われてみたかったのでそこで終わっちゃうのかー、、とかなり残念でした。
前半まではん?となるところもありながらも本当に面白かったので…途中までのモキュメンタリー調でそのまま作ってくれれればどれほどよかったか…原作の余韻を残してくる怖さは一切なかったですが、後半に目を瞑ればとっても面白い映画でした。映画を見る前に原作を読破する方が足りない説明を頭で補完しながら見られるので格段に楽しめると思います。私は面白かったですが原作未視聴の友人は視聴後私からある程度の設定を話して初めて怖がっていました。
原作そのままでの映像化で十分今年トップのホラーになれたと思います。ドールハウス超えを期待していました。残念。
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