「そう聞かれましても……」#真相をお話しします ゆんぼさんの映画レビュー(感想・評価)
そう聞かれましても……
(原作未読・映画も一度観ただけなので、見逃している描写等あったら本当に申し訳ないです)
最後は観客に丸投げ。
現代社会に対する問題提起・風刺のつもりなら、もっと心情を掘り下げてもらわないと、こちら(観客)としては「??? そう聞かれましても……」としか思えない。むしろ小賢しいオチにガッカリした。
①なぜルーだけを槍玉に挙げる?
憎むべきは、子供達の生活・成長をエンタメとして消費させた親たちなのでは?
ルーも運営側に近い存在とはいえ、親に唆されていただけだろうし、殺人を犯したという決定打もあくまで主人公側の推理(真相ではない)に依るものであり、なぜルーが公開処刑の危機に晒されているのか不明。
主人公たちは復讐という大義名分をかざして、ルーの死をエンタメとして消費しようとしており胸糞悪い。
②視聴者の個人情報を晒す意味
ルーを殺す or 視聴者の個人情報を晒す という究極の選択(?)を迫られるわけだが、視聴者に何の恨みがあるのだろう。
子供時代に生活をYouTubeで垂れ流しにされ、外野(視聴者)が傍観したり心無いコメントをしたりしていたのだろうが、圧倒的に描写が不足している。視聴者のせいで普通の生活が送れなかったり、実害に苦しむ描写がもっとあれば視聴者への恨みも理解できるが、描写不足のせいで行動原理が不明だった。
③前半3つの短編は必要か?
(結果として、本筋よりも短編が面白かったので何とも言えないが……)前半の短編が上手いこと“真相”に絡んでくると思ったが、全く関係のないお話だった。“真相をお話しします”というYouTubeチャンネルの様子を伝えたいのであれば、もっと簡潔に表現する形があるのではないか。
肝心の“真相”の部分に描写不足が感じられたため、前座の短編を削って“真相”部分を掘り下げるべきだと感じてしまった。
演技のこととか、役者さんのことはよくわからない。ただ、久しぶりに見た映画がこんな感じで驚いた。何も得るものがなかったので、せめてレビューで言語化をして、自身の感性と向き合う良い機会を設けようと思った。
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