雪風 YUKIKAZEのレビュー・感想・評価
全363件中、1~20件目を表示
最後で全て台無しとなってしまった
戦後80年の終戦記念日に上映ということもあって、期待値が上がっていた。
だからこそ、すごく良かったとは到底言えない作品だったのが残念でならない。
まず良かった点は2点
①「雪風」という駆逐艦の存在を知れたこと。
②主要キャラクターの俳優陣の演技が良かったこと。
特に主演の竹野内豊さんの、冷静に武士道を貫き責務を全うする姿は素晴らしかった。
しかし、それ以外が残念すぎる。
戦争映画は数字がなかなか出にくいのもあって、製作費の予算が出しにくいのも分かるが、VFXやCGの進化が凄まじい昨今で、このリアリティの無い偽物感溢れる映像を見せられると、没入したくてもできなくなる。吹っ飛んだ腕の作り物感もすごい。カメラワークもワンパターン。見せ場である人命救助シーンが、ほぼ引き上げるために手を伸ばすアングルのみなのも残念すぎた。
そしてセリフも演出もベタすぎる。特にドラマパートがベタすぎて、この状況でそんなこと言うかな?と思うシーンが何度もあった。
極め付けは最後。蛇足とはまさにこのこと。
見ている観客をそんなに信用できないのか?言葉にしなくても監督が言いたいことはわかるのに、あんな風にされたら押し付けがましくて拒否反応が起こってしまう。
大変申し訳ないけれど、過去見てきた映画作品の中で、1番最悪な演出はなんですかと聞かれたら、これですと答えられるぐらい、最悪な演出をラストにやられて激萎えだった。
見る側も予告やあらすじを見て、唯一生き残った駆逐艦というのを知って見るために、撃沈されない安心感もあり、戦争映画が苦手な人も見やすい題材ではあると思うし、豪華な俳優陣が揃っていただけにすごく残念。
同じ戦争を扱う今年の映画作品なら「木の上の軍隊」の方が数億倍良かった。
日本で戦争映画を作ることの難しさ
劇中で描かれるミッドウェイ海戦、レイテ沖海戦、戦艦大和の沖縄水上特攻作戦を含む、16回以上の主要な作戦に参加し、僚艦の乗員たちを救助して無事帰還した駆逐艦「雪風」のことを、本作で初めて知った。
日本は第二次世界大戦の敗戦国であり、憲法で戦争を放棄し平和を希求すると宣言しているので、過去に起きた戦争を題材にした映画で戦争自体を肯定的に描いたり、戦闘シーンを勇壮に描いたりすることは道義上できない。戦闘の残酷さ、軍の意思決定のまずさ、空襲や上陸戦で死傷した国民の悲惨さなどの描写を通じて、反戦のメッセージを後世に伝えるという大義名分が必要になる。
そうした前提をふまえると、沈没したり操艦不能になった僚艦から海に飛び込んだ乗員たちを、雪風の艦長と乗員らが救助する姿をヒロイックに描くというのは、よく考えられた切り口だなと感心。海戦場を舞台にしつつ、戦闘は少ししか描かず、メインはあくまでも人命救助なので、“人道的な戦争映画”と呼べるかもしれない。
ただまあ、予算上の制約で仕方ないところもあるのだろうが、海戦のスケール感やダイナミックさ、臨場感といったものがどうにも弱く、CGのクオリティもうーん、まだこのレベルかと嘆息。世界が市場のハリウッド映画と比べても気の毒だが、ローランド・エメリッヒ監督の近作「ミッドウェイ」のスペクタクルな海戦シーンの記憶も残っているし、見劣りするのは否めない。
竹野内豊、玉木宏の演技過多にならない、抑えめの表情や台詞回しがいい。さまざまなタイプの作品に引っ張りだこの奥平大兼が、若い兵らしい楽天的な軽さを表現していて、映画を明るくするのに貢献している。
山田敏久監督は本作が長編デビュー作だろうか。1992年の「あふれる熱い涙」以来じつに30年以上も助監督として現場経験を積み、初監督作で戦後80年の節目に公開される戦争映画というなかなかの大役を担った。映画製作の舞台裏にも興味深い“ドラマ”がありそうだ。
最後に賛否ある理由がわかりましたw 確かにあの最後終わるまではグッ...
最後に賛否ある理由がわかりましたw
確かにあの最後終わるまではグッととてもよかったですが、終わり方を未来に繋げようと前向きに明るく終わらせようとしたのかな?
MVのように音楽流れてる尺が長くてなんだろう??と思ってたら音楽のない波の音と船の音のみの真っ暗なスタッフロール流れて、ここでさっきのMVみたいの流せばよかったのでは??と余韻がすっとんだという意味ならダメだったとも言えますw
が、その〆方以外の内容自体はとてもよかったです!
戦争映画って陸か空が多いので、雪風のような船からの目線が知れてとてもよかったです
もう勝敗の行く末はみんな察しているものの誰も口にも顔にも出せないけど、みんな察しながら戦ってる…という細かい心情が伺えてつらかったです
だよね…でも手を抜かず諦めずに懸命にやるしかないと察しつつも真っすぐ見てるかのような
低予算ながらもとてもよかったと思います
戦争はダメ 考えよう 観てるよ(*´▽`*)ノ))
絶対的生命力
各国の総力をふまえたシュミレーションにおいて無謀とされていた戦争に、ついに突入していった日本海軍。その最前線はどんな感じだったのか。戦争という非日常の日常とでも言おうか、その現場の空気が伝わってきた。
過酷な最前線で戦う若者たち。明日死ぬかもしれない、死と隣り合わせにいるからこそ生が際立つ。特に船内での乗組員たちの食事のシーンなど和気あいあい皆とても明るいのが印象的だ。
雪風を知りつくし快活に現場を仕切る兄貴的存在の玉木宏。 乗組員たちの生死がかかる判断にも迫られる、飾り気なく淡々としながら信念ある骨太な艦長の竹野内豊。2人の家族や仲間への愛が沁みる。
最前線において何度も危険な目にあい死線をくぐりながらも、多くの兵を救いあげ必ず生還してきた『雪風』その生命力は“奇跡”という言葉でも追いつかない。そして日本を守るために戦った乗組員たち。その現場を垣間見れる戦後80年の節目にふさわしい映画と感じました。
歴史の風化かな
本能寺の変に至る信長と光秀の心境や人物像、紫式部が道長の愛人だったかどうか、赤穂浪士の仇討は実は次の仕官への布石のつもりだったかどうか、等、等・・・。さまざまな歴史的事件に対して後世の作家がいろいろ解釈をつけて脚色し、それに触れた読者や観客が、ああ、そういうこともあったのかとそれぞれに納得して楽しんでも構わない、それが『歴史の風化』ということかと思いますが、太平洋戦争もいよいよそういう段階に入ったのかなと感じました。
この映画のストーリーは史実に基づくとなっていますが、制作者のメッセージをより強調するために多くの史実を故意に無視しているのではないでしょうか。これほど“駆逐艦愛”の強い脚本ですから、緒戦期に撃沈した英艦の漂流者を救助して連合国の病院船に引き渡した駆逐艦「雷」の工藤俊作艦長の話とか、沖縄突入作戦でも「雪風」の他にも「初霜」と「冬月」もほぼ無傷の小破状態で生き残り、それぞれ多数の漂流者を拾い上げて帰投した話などを、作家がご存知ないはずはない。そういうことを敢えて観客に意識させず、「雪風」だけが主役に見えるように制作し、それを多くの観客が気づかずに鑑賞している、それが歴史の風化の第一歩かと私は考えます。
ちなみに「雪風」と共に「大和」を護衛した駆逐艦「冬月」も敵機の跳梁下、短艇を下して双眼鏡で確認できる限りの漂流者を救い上げ、航行不能になった駆逐艦「霞」に横付けして生存者を移乗させ、帰投中も大破して後進で避退中の僚艦「涼月」に対して敵に傍受される恐れもあるのに所在確認の無電を発し続けたといいます。「冬月」の山名寛雄艦長は戦後は海上保安庁の巡視船「あつみ」の船長として船が60度以上も傾く波浪に突っ込んで台風観測に従事しましたが、こういう国と国民を守る海の男たちのエピソードも、「雪風」だけに脚光が当てられたためにさらに霞んでしまった。それが“歴史”の宿命ですから、良いとか悪いとか言えませんし、「雷」や「冬月」のエピソードまで1本の映画に盛り込むことは絶対に不可能ですが、私は何となく悲しい。
理不尽な戦争を伝える静かな力
映画『雪風 YUKIKAZE』のレビューが遅くなりました。
単なる戦争映画や反戦映画という枠には収まらない作品です。この映画が描いているのは、「戦争を望んだわけではなく、時代に生きたために戦死せざるを得なかった日本人」の姿でした。個々の兵士がなぜ戦場へ駆り立てられ、逃げ場のない状況で命を落とさなければならなかったのか。その理不尽さが静かに浮かび上がります。
今年は戦後80年という節目にあたり、原爆や沖縄戦をテーマにした作品が比較的多く公開されています。その中で本作は、派手な戦闘描写よりも人間ドラマに重点を置き、「なぜ彼らは戦場に立たざるを得なかったのか」を問いかけている点で印象的でした。
戦争の記憶が薄れゆく今だからこそ、理不尽な戦争の悲惨さを次の世代へ語り継ぐ必要があります。『雪風 YUKIKAZE』は、その使命をしっかりと果たしている作品だと感じました。決して派手ではありませんが、静かに、確かに心に残り続ける映画でした。
兵役についた人たち
反戦映画とか戦争映画などといろいろな評価がありますが、この時代を生きて戦死せざるを得なかった日本人の事情を描いた映画だと思いました。今年は80年ということで、原爆や沖縄戦に関わる映画が比較的多く見られました。被害者のようで加害者である日本人の姿を映し出した場面もありました。優しさや理性は、勇ましい言動やナショナリズムに押し流されて死んでしまったかのように思い込んでいた人間には、かすかに光を見出だした歴史の一部だったのかもしれません。少なくとも、現在の日本が当時の人たちの死と労苦のうえに築かれていること知って良かったと感じます。
だとすれば、軍事オタクやナショナリストが期待するような特撮と場面は、必要もないことだったのではないでしょうか。
普通が良いなぁ
第二次世界大戦終戦まで沈むことなく幾度の海戦を乗り越えた奇跡の駆逐艦、雪風と乗組員の姿を描いた作品。
ワタクシ、ミリオタと言う程ではないがこの時代の戦艦や戦車のプラモが好きだった時期があり、雪風という駆逐艦とその艦生(?)についてはそれなりに知っている状態で鑑賞。
かなり評価は割れている模様ですね。CGがチープだという意見もチラホラですが、B級映画も沢山観ていることも関係してか個人的には全く気にならなかった。使いまわしが多かったのはちょっと気になったが(笑)
やはり米軍とは物量やレーダーの技術が違いましたね。お偉いさん達も心の内では…それでも止めることができないのが戦争なのでしょうか。覚悟が数を補うって…う~ん。
艦長の背景も印象的。俺だけが残ってしまった…、もし雪風にも感情というモノがあったなら、沈んで行った姉妹艦達に同じことを思ったかな。。
全体を通し、ドラマメインかと思いきや、同じくらい戦闘シーンもしっかりありましたね。そのどれも迫力がありました。
後、昔何かの本で読んだことがあるのだが、太平洋戦争を通し雪風の乗組員で戦死したものは1名だけだったとか…まさかそれが早瀬さん⁉さすがにここはフィクションかな。
侵略側の日本と呼ばれたりしますが、本土の国民をB29の爆撃圏から守るために闘っていたことは紛れもない事実なんですよね。日本を頼んだ…このメッセージに胸を張って手を振り返せるのか?今のお偉いさん方は?
そんなことを思いながら、役者さん達の素晴らしい演技とともに強いメッセージを感じた作品だった。
台無しになっていない。
誰かのレビューを読んで、雪風を観るかためらいました。
しかしながら、ラストもそれまでと同じ調子で製作者の意図が入っているだけで問題ありませんでした。
作品により駆逐艦のはたらきを理解でき、戦争に駆り出された人々の気持ちをしっかり代弁してくれて、作品を評価します。
幸せを感じました
珍しく予習して、1964年に放映された『駆逐艦雪風』を観てからこちらを鑑賞。
あの頃の舞台演劇みたいな独特のセリフ回しを新鮮に思いながら、戦争の悲惨さの中でも明るく強く生きる人々の息吹を感じ、、、と言いつつ、岩下志麻さんの美貌にハートが撃たれたのが一番の収穫。
さて、本作品。
上の作品とは丸っ切り違う脚本ですが、"幸福艦"と言われて、どんな酷い前線に送られても生き残り、米軍に攻撃された他鑑の船員を救助し続けた駆逐艦「雪風」が題材。
もうヒゲ伸ばしちゃおうかなって。だって、竹野内豊さんのファンなんですもん。いつも優しさを湛えたあの目。感情を常にコントロールしている奥深さ。大ファンです。また『ビーチボーイズ』観たいなぁ。『帰ってきた・・・』とかやらないかー。でも、広末がなぁ〜。
それはともかく、とても良かったです。他の方の辛口論評は思いっきりさて置きまして、何せ、予習もしましたし、竹野内豊さん大好きだし、本作品公開最終日だし。
玉木宏さんとダブル主演っぽく、人の命と生きるエネルギー、武士道精神を強く印象させる作品でした。
ネタバレしたくないのであんまり書きませんが、中井貴一さんの貫禄、すごく光ってました。こんなすごい役者さんになるとは『ふぞろいの林檎たち』の頃には全く想像出来ませんでした。
最後に回収でちょっと出た有村架純さん、こっそり引っ張りダコになってますね。連続で観させていただきました。
いやぁ〜映画って本当に素晴らしいですね。現実世界でささくれ立った心がだいぶ癒されました。
戦争の辛さからすれば、なんてことはないです。残りの人生も頑張ります。ありがとうございます。
感動しました
俳優がいい
盛り上がりにかける
表現が少し浅いように感じました
しょっぱなからけなして申し訳ないけれど、映画作品として、とくに優れたところはないように思いました(予告編を観て、そんな予感はしていたけれど)。
「命をかけて戦った人々の犠牲の上にいまの平和があるのだから、しっかりとやっていこうぜ、日本!」というメッセージは届いたけれど、映画作品としては、少し表現が浅いように感じた。
一番の原因は、脚本がイマイチということでしょう。
物語の作り方が何だかわざとらしい感じがします。
「いい話」にしたいのはわかるけど、それが前に出すぎてしまってはいけません。難しいところです。
それから、撮影。
CGとVFX(かな?)を駆使した戦闘シーンはまあよくできていたと思うけれど、将兵たちを救助するシーンが全然ダメ。
全部、下から見上げた角度、あるいは舷側に相対する角度で撮っている。
ここは絶対に何がなんでも、甲板から見下ろして、海に漂い救助を待つ多数の将兵をとらえるというカットを入れるべきだと思う。それがないからレスキューのシーンにリアリティーがない。
しかも、大きいセットが組めないなど、予算の関係だと思うが、「寄り」の映像が多いから広がりが感じられない。
本作は、全体的に「寄り」のシーンが多く、人物との対比で艦のスケールを感じさせるような場面がほとんどなかった(これもまた予算などの関係だろう)。
あと、悪口ついでに書くと、太平洋の真ん中はいつもあんなに凪いでいるのか? 大阪湾でももっと波があるはずだ。
救助のシーンは、うねりのある日に実際に海で撮影してリアリティーを出してほしかった(好き勝手なこと言ってごめんね)。
俳優陣については、やはり中井貴一が頭ひとつ抜けている気がした。
発声も確かで、揺るぎない存在感を示していた。
エンドロールの、波と警笛の音だけで余韻を残して終わる、というアイディアはよかったです。
追記
同じく旧日本海軍もので救出劇である『太平洋奇跡の作戦 キスカ』(1965年公開・丸山誠治監督)を鑑賞して比較してみよう!!
没入しました
残念な映画です。
歴史、軍事オタクとして一度は見ておこうと思い、見てみました。が、意味不明な映画でした。がっくりガッカリです。
まず、何が言いたいのかわからない、監督や脚本の言いたいことが全く意味不明、役者はあれだけそろっていて演技は良かったのですが。
ただずらずら事象を並べたうえ、意味不明なシーンが多すぎる。言葉使いや情景など不満だらけの映画でした。まるでB級どころかC級といいたい。普通の戦争映画にしてももう少しまし。時代考証もお粗末、階級や軍事知識もお粗末ではこんな映画になるでしょう。
なぜ、雪風でならないのか意味が解りません。最後の有森さんのシーンもあの髪留めで艦長の娘とわかるのでしょうが時代が違いすぎる。考証不足の映画もいいとこ。最後の方の乗組員のあいさつのような帽振りシーンも意味わからん。なんで追加したんですかね。
全363件中、1~20件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。