陪審員2番のレビュー・感想・評価
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ホントにこれで最後なの?
クリントイーストウッドらしさ全開!
主人公は善人なのか?悪人なのか?偽善者なのか?嘘つきなのか?
自分(と妻)の幸せと他人の無実の間で揺れる心…と見せながら、
最後には暗黒面に堕ちたのか?(そんなんだから酒におぼれるのだ)
堕ちた理由は見えづらかったけど、
そこを含め、
いつものように映画の中では答えを出さず
観る人に委ねるクリントイーストウッド。
最後のシーンも、それ。
ドアの外に立つ検事。複雑な顔の主人公。
罪を背負うのは、刑務所の中だけではない。
自分は彼は逮捕されなかったろうが、検事は検事としての矜持を見せ、
彼女なりの正義を示した…と思うのだが、どうだろうか。
これを観ないと勿体無いよマジで❤️🔥👍
偏見の怖さをリアルにみせつけてくるのよな🫣
まずネタバラシスタートってのが面白くて始まった瞬間に陪審員なのに自分が犯人だから被告が無罪なのにほぼ全員が有罪だよねあんなやつってところからスタートっていうツカミのスピーディーさが良いですね!
あと激しいシーンゼロなのも良し👌(普通裁判て淡々とやるもので落下の解剖学も同じテイストで良かったです!)あとキャスティングがいちいち良いし主人公がずーっとヤバイヤバイヤバイヤバイどうしよう🤮ってなっているのも良かったですねえ🥺(主人公が逃げたいのか自白したいのか自分は逃れつつも自分のせいで有罪になりそうなヤツを助けたいのかよくわからん展開が続くからそこは低評価になる要素でもありますね)
まあラストをあそこで終わらせたのが良くて あの後をわざわざ見せる必要無いしイーストウッドも余韻の作り方が上手いですね(クリスマスイブ🎄🤶にふさわしく最高に嫌ーな気分になれたしグッジョブ🤮👌)
しかしまあよく出来た法廷モノでみなさん絶対見た事あるとは思いますが特に日本🇯🇵の裁判モノにありがちな😡演出的に盛り上げたいからって無駄に裁判長〜って大声で叫ぶ超バカシーンとか無くて本当に良かったです(自分は裁判長って叫ぶシーンや裁判所で声張り上げて叫ぶシーンのある作品はその時点で生理的に無理なので見るのをマジで辞めますし劇場でもその時点で観るのを辞めて帰るくらい映画のシーンで一番あり得ない超絶バカシーンだと思ってますし叫ばなくても裁判映画は面白く作れると思いますよマジで😡)
揺れ動く良心の呵責
ニコラス・ホルト演じる主人公ジャスティン・ケンプを始めとする
登場人物それぞれの正義と家族愛で揺れ動く良心の呵責を描いた作品です。
ジャスティンは事件当時、鹿を車で轢いてしまった疑惑を自分自身にもっていて、
それが陪審員として選ばれた事件の轢き逃げだったのではないか?と
やや確信めいた判断をしているところが、すごく重要です。
おそらく轢いたのはジャスティンで間違いないものと思われますが、
直接的な表現は避けていて、ここも「そうだろう」的な見え方になっています。
容疑者は、普段の悪い素行が背景にあり、事件当時の様子からも
犯人と断定され、目撃情報も曖昧ながらも、冤罪となっていく様は
すごく恐ろしいなと思いました。
日本のドキュメンタリー作品でも、こういうことはあるんじゃないかと思う作品に
出会いますが、冤罪のつくられかたを見せられている気がして怖くなりましたね。
ジャスティンは自分が犯人だろうから、容疑者が犯人じゃないことはわかっていて、
そこで最終的には家族や自分の人生との天秤にかけていき、
正義が客観的なものではなく、主観的なものとして貫かれていく。
そんな会話を、ラスト近くで検事とする。ここが本作のクライマックスでしょう。
ラストは検事(検事長に昇進していますが)がジャスティンの玄関先に現れて終わるのですが、
検事は検事で自分の正義を貫くつもりなのでしょう。
おそらくジャスティンを容疑者として裁判が開かれるのでしょうね。
直接的にはそこまで描いていませんが、私はそう捉えました。
正義の脆さみたいなものを突きつけられた気がします。
何と奥深い作品なのでしょう。
クリント・イーストウッド監督の期待に応えているニコラス・ホルト、天晴れだと思います。
素晴らしい作品でした。
できれば劇場で鑑賞したかったです。
最高の引退作
クリントイーストウッド引退作。引退作としては惜しみたくなる傑作だった。
ニコラスホルトが演じる主人公は陪審員に選ばれる。殺人事件の裁判であり被告人が殺人の有罪か無罪かを問う裁判。
被告人は過去に反社会行動をし直前に加害者の女性と喧嘩もしている。しかし確固たる証拠はなく、状況証拠と陪審員の早く事を終わらせたい気持ちからさっさと有罪で終わらせたい者が多い。
そんな中ホルトは事件の本当の容疑者は自分じゃないかと疑う。
もちろんこちらも確固たる証拠はないのだが事件を追えば追うほど自分が加害者だったと確信に近づく。
罪悪感からなんとか被告人を無罪にしようとするも、前任一致でなければ次の陪審員達に委ねられることになり事件の真相を追われることを恐れる。最終的に自分が陪審員の立場で事件を終えることを望み被告人を有罪にする決断をしてしまう。
ホルトの罪悪感と自己保身の狭間をうまく描いた作品であっという間の120分だった。
自分がホルトの立場であったらどういう判断決断をするのか、それらを自分に置き換えながら見ると心苦しく見られる。もちろん悩んでる時点で自分も善良な人間ではないのだろう。
何が正しのかはもちろん分からない。ただ一つ言えることは真実を隠す事なく伝える事が正しいのであって、そこから逃げ隠れ、嘘をついてしまった時点でホルトが正義を語る資格は残念ながら失う。
そんな正しい判断ができない立場の人間でも人を裁く立場になりうる陪審制度の欠陥もまた実感させられ恐怖を覚える。
クリントの作品はこれまで何作も鑑賞し貴重な時間を過ごさせてもらった。引退作というのは寂しい限りだ。それ以上にこんな偉大な監督の引退作を日本では劇場公開スルーというのがあまりにも残念。
しかしながら配信でも傑作に変わりはない。1人でも多くの人に見て感じで欲しい作品だ。
クリントイーストウッドに改めて敬意を表したい。
一人の青年の身に起こる事件《正義と良心の呵責》
10月下旬に全米で短期間・小規模で公開された
クリント・イーストウッド監督の最新作
「陪審員2番」が、12月20日から、
U-NEXTで配信が始まりました。
陪審員を題材にした法廷ミステリーです。
陪審員制度の問題点、
司法制度の盲点を考えさせられる良心作でした。
評決の有罪と無罪の間に、グレーゾーンの判決
(例えば、執行猶予や交通事故での禁固刑などがありますが、)
有罪でなければ、その反対は無罪しかないのか?
私個人としては、
この2択しかない狭さ、そして怖さを感じる映画でした。
《ストーリー》
陪審員に選ばれた青年(ニコラス・ホルト)か、
審議する事件の内容を聞いて顔色を変えます。
「審議する事件」
ある夜、バーで恋人と激しく言い争うカップルがいました。
怒ったガールフレンドは雷雨の中を徒歩で帰宅したのです。
翌朝、彼女は崖下の小川で、頭を砕かれた死体で見つかるのです。
そして言い争いをしていた男性が、殴って殺して捨てた罪で
逮捕されます。
ニコラス・ホルトには心当たりがあったのです。
その夜、問題のバーに立ち寄り、車で現場近くの道を帰り、
《鹿にぶつかった》との感触があり、車を修理に出していたのです。
興味深いことに陪審員の中には、J・K・シモンズ演じる元警官で
刑事だった男が含まれていました。
彼はすぐに【ひき逃げ事件】だと判断するのです。
J・K・シモンズは、修理工場をあたり、16件の当日後に修理された
車のリストを揃えてきます。
そのことが、陪審員が【捜査をしたりしてはならない】
この規則を破ったために彼は陪審員を外されます。
実に良く出来た脚本です。
陪審員2番であるニコラス・ホルトの中で、
真実を告げるべきという良心と、しかし自首したら妻を守り、
生まれてくる子供を育てられない・・・2つの葛藤がせめぎ合います。
彼の保身と狡猾な面も、徐々に明らかになってきます。
人間の弱さや保身が浮き彫りになります。
アルコール依存症でグループセラピーを受けて4年経つこと。
飲酒運転の微罪があること。
事故当日には妻が最初の双子を流産した直後だったこと。
ラストの展開は半ば予期したこととは言え、辛いものがありした。
正義は成されるのだとの思いと、被害者に落ち度はなかったのか?
などと考えさせられて複雑な思いを抱きました。
それにしても一人の人間の終身刑のような重い刑が
決まるもしれない評決が、
陪審員の下す「有罪」で、いとも簡単に決まってしまう事。
陪審員の多くはさっさと役目を片付けて普段の生活に戻る・・・
その事で頭の中は一杯です。
状況証拠と怪しい目撃証言に検死医の簡単な所見のみで、
有罪が決まるとしたら、本当に恐ろしい。
いち早くクリント・イーストウッド監督の93歳での
最新監督作品を配信で観る事が叶い感謝します。
地方在住者や名作座が遠いなどの場合もあります。
近年は真面目で娯楽性の薄い作品は劇場公開が厳しいようです。
悲しい事ですが、前向きにとらえて、観る機会に恵まれて
本当に嬉しく思います。
捻じ曲げられる正義
陪審制度の危うさを描いた「十二人の怒れる男」。本作はそれにプラスアルファ、陪審員に選ばれた主人公の抱く葛藤や苦悩、そしてサスペンスフルな展開が見る者を魅了する作品。
ある殺人事件の陪審員に選ばれた主人公。彼はその事件の詳細を知らされ事件の被害者を誤って車ではねたのが自分であることを知ってしまう。唯一真実を知るのは自分だけ、しかし他の陪審員たちは被告人をほぼ有罪と判断。このままでは無実の人間が有罪になってしまう。
誠実な性格の主人公ははじめこそ無罪の主張をするものの、被告人の無罪を主張し続ければいずれ自分に追及の手が伸びてきてしまう。真実を貫くか、自己の保身に走るか苦悩する主人公。出産間近の妻、そして自身も依存症と戦う身である主人公は究極の選択を迫られることになる。
過去のアルコール依存症の経歴から自分の罪が重罪で裁かれると知った主人公は自首をためらう。しかし被告人をこのまま有罪にもできない。何とかして自分の罪も免れ被告人を無罪に持っていきたいが、ひき逃げの可能性があるという説が注目されると陪審員の中の元刑事が事故車の調査に乗り出し主人公は追い詰められていく。このあたりのサスペンスは秀逸だった。
そして主人公がとるべき道を見る者に丸投げする強烈なラスト。あなたならどうしますかという投げかけであり、裁判員制度が採用される日本でも他人ごとではない。さすがにこういうシチュエーションに置かれることはないにしても。
とても内容が濃くて骨太な法廷ドラマ。しかし御年94歳のクリント・イーストウッド監督の引退作ともささやかれてる作品ながら、劇場公開は日本では見送り。本国アメリカでも短期間の小規模上映だったとのこと。
正直、巨匠の作品に対してこの扱いは信じられないが、映画評論家の町山氏によると最近のハリウッド映画では映画好きが好むようなこういう作品が冷遇されてるとのこと。
子供に受けるアニメやシリーズ物のように大きく採算が取れる作品ばかりが重視されて、儲けが少ないこのような通好みの作品には出資者も金を出さないとのこと。
ただ、このような現象は邦画界にも如実に表れていて先日公表された今年の映画興行ランキングでは、ベストテンはアニメとかテレビ局出資のテレビ映画ばかりで洋画はランキングにも入っていなかった。
洋画なら今年は「人間の境界」、「オッペンハイマー」、「関心領域」、「DUNEパート2」などなど素晴らしい作品が多かったにもかかわらず。ちなみにベストテンの作品は一本も見ていなかった。
ハリウッドでは今後本作のような作品はますます作られにくくなるという。もしそうなら映画業界の未来は暗い。
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