陪審員2番のレビュー・感想・評価

全99件中、21~40件目を表示

5.0深い懐疑と「それでも」の論理

2025年8月11日
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鑑賞方法:DVD/BD

2024年。クリント・イーストウッド監督。妻の出産が近づいている青年は、ある殺人事件の陪審員になると、審議中にその事件の渦中にいたことに思い至る。実質的に自身の行為が被害者の死を招いたこと(過失致死)を疑いながら、相談した弁護士から申し出るのはやめた方がいいといわれて身動きができない主人公。無実の被告人が処罰されることに罪悪感を抱きながら、真実との間で行う決断とは。
まず、真実を求める法制度への深い懐疑がある。同期らしき検察官と弁護士は夜な夜なバーで「ないよりまし」な法制度をめぐって酒を酌み交わすし、ほかの陪審員たちの関心も真実の追求自体は断念したうえでの、被告人のふるまいに集中している。しつこいほど描かれる「真実への断念」は昨今のアメリカ社会を映す鏡のようでもある。ただし、イーストウッドの映画史のなかでは珍しいことではないが。それは。裁判所前の「正義の女神像」の天秤が常に揺れていることで映像的にわかりやすく示されている。
そして、その深い懐疑のなかで、それでも真実を目指して動く一人一人の人間の正義感がある。選挙で決まる検事総長になろうとする検事も、その同僚の真摯な弁護士も、陪審員たちも、「それでも」の論理で動いている。主人公の青年が最終的な告白によって真実に振り切れるのではないのが今作の特徴だが、この青年には「真実」を言い出せない状況が積み重ねられている。①アルコール障害からの立ち直り過程②かつての出産の失敗による心の痛み③妻への愛。かつてのイーストウッド映画とはことなって、青年はこれらの状況に打ち勝って真実を告白するのではないし、検事総長も自らの地位をなげうって真実を求めるわけではない。そうした行為の後、真実の蔓延ではなく状況による追求が延々と続くことがわかっており、それに辟易しているからだ。「それでも」やはりラストシーンで検事総長は青年の家の玄関に立つ。ここがイーストウッドのかっこいいところだ。しびれます。

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文字読み

4.02025 40本目

2025年8月11日
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鑑賞方法:DVD/BD

怖い

知的

この作品がクリントのラストかも?と思うと悲しくなります。内容はほんと陪審員に焦点を当ててるが終始静かに淡々と進んでいくが、陪審員の葛藤などがよく描かれている。

体調が心配ですが、やはり最後は監督兼主演でしめてほしいです

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しゅん.13

3.5言い出せない悪

2025年7月30日
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movie mamma

4.0真実、良心、正義、保身・・・人間の心の奥深さに問いかける作品。 クリント、引退しないで

2025年7月19日
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鑑賞方法:VOD

知的

ドキドキ

いつ公開かと気になっていた映画でしたが、まさか配信とは。このような上質な映画が劇場公開されないのは残念で仕方ありませんが、観ることができたことに感謝。
 よくある恋人同士の殺人事件。犯人は定石通り交際相手、そんな事件に絡む人々、陪審員・検察官・弁護士・その家族を本当に丁寧に分かりやすく描いています。序盤、弁護士と検察官の真っ向対立は「アラバマ物語」中盤の陪審員の有罪か無罪かは、まさに「12人の怒れる男」的展開。クリント・イーストウッド渾身の名作「硫黄島からの手紙」「父親たちの星条旗」を一本にまとめたような双方からの視点、本当に嬉しくなります。アメリカの良心、イーストウッドは、信じていますね。様々な問題を抱える国ですが、希望を感じさせてくれる、余韻に浸れる素晴らしい作品です。94歳、イーストウッド、凄すぎますが、まだまだ彼の作品は観たいですね。

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masa.k

3.0法廷バトルモノかと思ってた

2025年7月2日
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うまぶち

4.0ベタだが重く考えさせられるテーマ

2025年6月25日
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鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

難しい

ドキドキ

規模は小さいながら人一人の苦悩、葛藤は辛くて面白かった。どんな善人とはいえ過去に一つくらいは過ちは犯しているし、その過ちに足は引っ張られる。そんな身につまされるような気持ちもありつつも映画的「そうなるか!?」もあってエンタメとしても面白さを発揮しているあたり流石監督!伊達にドキュメンタリー、暗い映画を撮ってきただけある。
結局最後まで"主人公がやっちまった"という実際のシーン(被害者と一緒に映ったシーン)が映していないため、鑑賞者も「これ本当にそうだったと思う?」というほんの少しのモヤモヤを残していて考えながら観ることができる。もちろん主人公がやってるんだが、そんな些細な演出があることで右往左往する主人公はとても他人事のようには思えない。
バッドエンドしか見えないまま始まったこの映画、ラストの判決には納得しつつもスッキリすることなんかなかったが本当のラストシーンには一言、「やっぱりな!見事!」

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ezio

4.0真実が正義とは限らない

2025年6月22日
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クリントン・イーストウッドが自身の遺作として発表した本作がアメリカで物議を醸した。配給元のワーナーブラザーズが「まだ商業的魅力を持つ映画製作者にとっては奇妙なアプローチ」と称して、本作を一部限定的上映にとどめ一般公開を見送ったのである。映画自体はすでに2023年に出来上がっていたものの、時はバイデン民主党政権の真っ只中、司法の正義を世に問いただす映画などもってのほかとばかりワーナー側が忖度したのか、はたまた民主党陣営から圧力がかかったのかはわからない。その限定公開もトランプ政権が正式に発足してからというのだから、胡散臭いことこの上ないのである。日本の配給会社も当然ハリウッドの動きには逆らえないわけで、残念ながら劇場公開は見送られ配信のみの上映となってしまった1本だ。

ジャスティン・ケンプは雨の夜に車を運転中、何かをひいてしまうが、車から出て確認しても周囲には何もなかった。その後、ジャスティンは、恋人を殺害した容疑で殺人罪に問われた男の裁判で陪審員を務めることになる。しかし、やがて思いがけないかたちで彼自身が事件の当事者となり、被告を有罪にするか釈放するか、深刻なジレンマに陥ることになる。  映画.comより

陪審員の中で唯一容疑者が無罪であることを知っているジャスティン(ニコラス・ホルト)は、おそらく良心の呵責に耐えかねたのだろうか、ほとんどの陪審員が“有罪”に傾くなか、「もうちょっと審議を続けてみよう」と態度を保留する。やがて、医大に通っている日本人女性陪審員から“ひき逃げ”の可能性について指摘があると、なんと有罪:無罪が6:6のイーブンに。ここまでの展開はシドニー・ルメット監督の傑作法廷劇『12人の怒れる男』とそっくりだ。

すんなり犯人が無罪になってTHE ENDと思いきや、最近はすっかりなりを潜めておとなしめの映画ばかり作っていたイーストウッドは、最後の最後にして伝家の宝刀を再び抜いて、その切っ先を観客に突きつけるのである。『ダーティハリー・シリーズ』や『ミリオンダラー・ベイビー』、そして『アメリカン・スナイパー』でも見せていた、“法”と“良心”を禁断の秤にかける悪魔的演出を見せているのである。結論をあえて観客の手にゆだねるイーストウッド流の問いかけはいつも以上にキレがあり、リベラルの終わりの始まりが見えてきたちょうどその時期にぶつけてきたあたり、完全な確信犯と言えるだろう。身体はヨレヨレに見えるけれど、おそらくまったくボケていなかったのだ。

大学同期生の国選弁護人に「今のあなたは政治家だ」と指摘され、心の中に眠っていた良心がグラグラと揺れ出す遣り手女性検事フェイス・ブルーキラー(民主党殺し?)をトニ・コレットが好演している。直近の出演作の中でも出色の存在感と言えるだろう。事件をもう一度洗い直してみると、捜査線上になんと陪審員の一人ジャスティンが浮かび上がる。「僕は家族を守り、あなたは州民を守ればいい」すっかり人が変わってしまったジャスティンの言葉に、フェイスは自問自答を繰り返すのである。何かがおかしいのに、このままでいいの?

『ダーティハリー』では正義の鉄拳を弾劾される刑事、『ミリオンダラー・ベイビー』では再起不能ボクサーの自殺幇助に手を貸す老トレーナー、『アメリカン・スナイパー』では戦争中毒にかかった英雄を通して、イーストウッドは“法による正義”と“人としての良心”のどちらが人間にとって心地よい秩序をもたらすのかを問い掛け続けてきた。今作では“些細な殺人事件”を検事長になるためのステップとしか思っていなかった女性検事が、人としての良心に目覚め行動するまでを描いている。本作を観る限りこのイーストウッド、やっぱり“隠れトランピアン”だったような気がするのだがはたしてどうだろう。

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かなり悪いオヤジ

2.5そりゃね

2025年6月11日
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鑑賞方法:DVD/BD

驚く

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HY

5.0傑作です!感動しました

2025年6月8日
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鑑賞方法:VOD

陪審員2番

21世紀の「12人の怒れる男たち」です

ことによるとイーストウッド監督によるリメイクだったかも知れません
陪審員達の言動に似たようなものがあります
かといって密室劇ではありません
真っ正面から司法制度の根幹は民主主義にあり、民主主義の根幹は国民の心の中にあるということを結論にした映画です
国民の心が腐敗したとき、民主主義も司法制度も社会自体が崩壊し、正義はなされなくなるのだというイーストウッド監督からのメッセージです
1950年代の「12人の怒れる男たち」のアメリカ国民だったら
本作でも同じように評決は一致して無罪で映画は終わった
21世紀はどうだ?
本作のようになったとしても、まだマシなぐらいだ
アメリカが病んでしまったのは私達国民が劣化したからだとの悲しい反省です
それ故に新しい大統領がああいう人になるのはあたり前だ
私達国民が正義の実現に目覚めないかぎりまだまだこういう世の中は続くのだろう
自分たちの世代がそうしてしまったんだ
そういう諦めに似た悲観的なトーンです
それが揺れる天秤です

それでもラストのノックで現れた人物はまだ諦めるなとの現役世代へのエールと期待でした
正義は必ず成されなけばならない
この映画もそう終わらなければならないのだという意味に受け止めました
劇的な絵作りはない映画ですが、蝉の声が急に大きく残響を持って聞こえてきて映画は終わります
その蝉の声が私達の心のなかでいつまでも消えることなく残るならばアメリカに正義は戻るのだという演出だったと思います

今時、こんな青臭い事を主張する映画を撮るなんて浮き世離れしていると言われても仕方無いのかも知れません
イーストウッド監督だからできることなのかも知れません
何も派手なことは何一つ起こりません
美男美女もです、有名俳優もひとりだけチョイ役ででるだけ
それでも素晴らしい脚本と演出に、あっという間に引き込まれて集中して目を離せなくなってしまうことでしょう
クリントイーストウッド監督94歳ながら衰えは一切感じません
むしろ、はしばしのこんな小さな所まで神経を行き届かせているのかと驚嘆するばかりです
たとえば、序盤でパーティーに集まった近隣の住民に主人公がスピーチをするシーン
「なんていい旦那さんでしょう!」というオバサンは横の自分の旦那に冷たい目を向けて言っています
日本では配信のみだそうです
残念です
逆に日本だけで劇場公開でヒットしていたなら誇らしいことにだったのに
せめてU-NEXTさんが見放題配信してくださって感謝するしかありません
本作の言っていることは日本国民にも当てはまります
今年の日本は選挙の夏になりそうです

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あき240

5.0JAL国際便でみれます

2025年6月6日
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鑑賞方法:映画館

他の方も書いているように近年のイーストウッド作品の中でかなり上位にランクされる作品です。どうして映画館で上映されないのか本当に謎です。
私はたまたまJAL便で見ることができ、Luckyでした。2025年6月3日搭乗

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mugirin

4.0御大、まだまだいけますよ!!

2025年6月4日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

斬新

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toro

4.0葛藤

2025年6月4日
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難しい

自分ならどうする?と考えさせられる映画。

いろんな葛藤が描かれてて面白かった。

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Ryuhei Ogawa

5.0こんなの見たことない&ネタバレ厳禁!

2025年5月28日
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ゆき@おうちの中の人

3.5イーストウッド94歳の作品

2025年5月17日
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大阪ぶたまん

5.0神様だぞ 粗末にするなよ!

2025年5月13日
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今年観た1番☝️
クリント・イーストウッド監督が昨年94歳で監督した最新作

欧米では昨年末に劇場公開されヒットし、米国映画批評会議が毎年発表する「今年の映画トップ10」(2024)にも選ばれたにも関わらず日本では配給会社が決まらず劇場公開は見送られ、U-NEXT独占配信で公開😿

今日、全米公開から半年遅れでAmazonプライム・ビデオで550円で購入して鑑賞出来た😑

こんな凄い映画を粗末にする日本の映画興業界は先が思いやられるゾ😬

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あさちゃん

4.5このように劇場公開から配信に変わっていくのか

2025年5月12日
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ケビタン

4.5司法のバグ

2025年5月11日
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「正義(正しいこと)とは何か?」を観客に突きつけ、非常に丁寧に作られた、イーストウッド監督らしい見応えたっぷりのシリアスな法廷劇。
正義が不確かなこの時代。
思い付きで政治も経済も破壊しまくる大統領がいる時代には刺さる内容。
奇をてらってない。
天秤の傾きのイメージシーンなど、オーソドックスな演出。
ああ古臭いかもな、とさんざん油断させておいて、ラストには驚かされました。

そして司法って「事実」を基に「善意」と「誠実さ」で成り立つもので、「悪意」に弱く、また事実というのも「恣意的誘導」「不確かな記憶でも断言してしまう人」「信じたいことだけ信じる人間」によって歪められやすい、そんなシステム的なバグを抱えているんだ!
という指摘と、批判の精神が込められているようにも思えました。
これって、日本の冤罪事件などにも通じるなぁとしみじみ。

配信&ビデオ(Blu-ray)スルーになって、劇場で観られなかったのがもったいない作品でした。

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コージィ日本犬

5.0ゾワゾワする。

2025年5月11日
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知的

難しい

“あ…バレるかも…”って思う瞬間もあったけど、一回見かけたぐらいじゃ記憶に残らないよね
主人公の『真犯人として名乗り出たくはないけどこの嫌な罪悪感をなくしたい』という一心から審議を無駄にもみくちゃにするとこが、身勝手だけどずるい人間らしくてよい。

ラストシーンは……んーーーーーーーーーー
“円満”に終わったと思い…たい!

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KP

4.0タイトルなし(ネタバレ)

2025年5月9日
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りゃんひさ

5.0「失って初めて気づく」の逆で表す大人の映画

2025年5月2日
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単純

知的

斬新

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maru
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