「劇場上映ありがとうございます」陪審員2番 La Stradaさんの映画レビュー(感想・評価)
劇場上映ありがとうございます
- TAMA映画祭にて劇場鑑賞 -
クリント・イーストウッドの映画は全て映画館で観ると決めて長年追って来た僕には、彼の最終作とも言われる本作が配信限定となったのは文字通りの死刑宣告でした。それを、映画祭でよくぞ劇場上映して下さいました。陪審員として裁判に臨んだところ、被告の男が殺したとされる女性というのはどうやら自分が鹿だと思って車で轢いた人物だったのではと気付き始めるお話です。
確かにもう少し振り幅を持たせた方がお金の稼げる派手な映画にはなったでしょう。お金は確かに大切だし、巨費が動く映画業界では興収という結果を出さねばなりません。でも、こんなにも重厚で観る者の胸に刃を直接突き付ける作品をなぜ劇場上映しなかったのでしょう。お金ばっかり食って中身の無いヒーロー映画なんて幾らでもあるのに。
一観客の勝手な言い分ですが、この作品を観た上で配信限定を決定した映画会社は映画を愛してはいないし、これまで珠玉の名作を生み続けて来たイーストウッドを尊敬もしていないんだと思います。
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