「’お客様’へのおもてなし精神極まれり」機動戦士Gundam GQuuuuuuX Beginning 新人。さんの映画レビュー(感想・評価)
’お客様’へのおもてなし精神極まれり
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キャラクターデザインや音楽の志向そして、「カラーとサンライズの夢が交わる」というキャッチコピーから、「ガンダムをヱヴァ色に染めて、これからは俺たちがガンダムを引っ張っていくんだ!!」というコンセプトとしての野心は見て取れるが、中身は、物語として新鮮味がないし、基本的なカタルシスの作り方も正直、お粗末である。
具体的に言うと、主人公マチュをつまらない現実に飽き飽きし、面白いものを求めている若者というキャラクター造形にするのは良いが、「やっちゃいけないことをやろうとしている」というような葛藤のシーンが薄すぎて、ザクとの戦闘やクランバトルで勝利を掴む際のカタルシスがすごく弱い。
「まあ、編集版だから。」という言い訳もあるだろうが、無駄に長いアクションシーンをうまく整理すれば、主人公マチュの人物描写をもっと丁寧に描く尺は捻出できたはずだ。
また、マチュと対比して描かれるべきニャアンというキャラクターも印象が薄く、マチュとシュウジの関係性をどう捉えているのか、それともシンパシー的な繋がりを否定するのか、或いは、マチュに憧れを抱いているが故の嫌悪感を持っているのかのようなキャラ付けを序盤で強調しておかないと、ニャアンがマチュやシュウジと交流することによって、変化する気持ちをうまく描けなくなってしまう。
このような脚本やキャラクター造形の粗も米津玄師のポップな曲とCGを用いた躍動感のあるアクションシーンのおかげでカバーし、ギリギリ観れるものに成立させているのはお見事なのかもしれないが、「もう少しどうにかならなかったのか」とも思う。(続きはプロフィール欄から飛べる私のnoteで...)
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