「ファンでなければ、めちゃくちゃつまらない。」名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック) Denaさんの映画レビュー(感想・評価)
ファンでなければ、めちゃくちゃつまらない。
付き合いで鑑賞。渋谷東宝が満員だったのは、さすがだと思った。
ただ、肝心のストーリーは、描きたいことが多すぎて散らかった印象。人によっては、話が複雑すぎると感じるかもしれない。
おそらく原因は、各キャラクターのファンに配慮しすぎたこと。そのせいで、物語の焦点がぼやけてしまっていた。
テーマは「毛利小五郎の敵討ち」なのか、「司法取引」なのか、「長野県警」なのか、「公安」なのか。どれも中途半端で、結局どこにも着地しなかった。
特に印象的だったのは、結局推理は工藤新一が行った点。敵討ちなら本来、毛利小五郎が推理するべきだったはず。これも出番の少なかった工藤新一ファン向けの配慮に感じたし、こうしたチグハグさが全体に漂っていた。
推理や動機も、とっ散らかった話を無理やり成立させるためのご都合主義に見えて、正直かなり薄かった。
良い映画にするなら、「司法取引」と「毛利小五郎の敵討ち」くらいに絞って、もっとシンプルに構成した方が絶対に良かったと思う。
全体的にはキッズ向けというより、キャラクターのファン向けという印象で、「面白い映画を作ろう」という姿勢はあまり感じられなかった。
話がまとまらないまま終盤に突入し、最終的には「派手なアクションがあってよかったね、はいおしまい。また来年も観てね」という、いつもの締め方。
個人的には、エンドロール後に何か大きな展開があるわけでもないのに、長々と続けるのはやめてほしい。むしろ「何だったんだコレ」感が増した。
あのラストのシーンも、安室ファンへのサービスが透けて見えてしまい、かえって冷めた。
とはいえ、全キャラを立てて、物語をまとめて、アクションも盛り込む、そんな縛りだらけの中で作っているのだろうから、脚本家を責める気にはなれなかった。
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