劇場公開日 2025年6月13日

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「すこぶる良作なタイムリープもの青春仕立てin尾道」リライト ヘマさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5 すこぶる良作なタイムリープもの青春仕立てin尾道

2025年6月28日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

いわゆるタイムリープものは、その設定自体に綻び(矛盾だったりご都合主義だったり)が見えてしまうと、途端に物語としての勢いが弱まってしまい、本来はその物語で表現したかったテーマやエンターテイメントまで安っぽくなりがちなので、無意識に心構えをしちゃうんですよね。

そのうえ本作は「尾道を舞台に、未来からやって来た転校生が、その時空間から現出した光景をヒロインに見られるも、ふたりだけの秘密として彼女と過ごす一夏の青春ストーリー、そしてラベンダーの香り」という出だしなので(オマージュかなパロディーかな)と、若干不安に駆られていました。大変申し訳ない。

ところがお約束のタイムパラドックスの縛りを提示しての、基礎となる世界線の物語が綴じる序盤、思いも寄らない展開からのタイトルコールで、ここまでが少々長めのプロローグだったことで、俄然、面白くなってきました。

とにかく脚本が丁寧。それぞれの登場人物たちの行動にはたしかな理由があり、それが中盤から終盤にかけて、塩梅よく開示されていき、今まで観ていた景色が一変していくカタルシスが味わえます。

さらに絵作りも丁寧。特に印象に残ったのは、同窓会二次会の帰りにみんなで船着場(かな?)に着いてから、それぞれの配置に着く流れが、違和感なくハマっていたのが気持ちよかった。

とにかく最後の最後まで丁寧に仕上げられていて、心地良い鑑賞体験ができますよー。

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ヘマ
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