「リスペクトではない。オリジナルとそれに感動した人々をいじっているようで、許せない。」リライト ITOYAさんの映画レビュー(感想・評価)
リスペクトではない。オリジナルとそれに感動した人々をいじっているようで、許せない。
時かけのエピゴーネンがまた1本。
冒頭からの一連のエピソードがリスペクト満載なうえに、ありがちかもしれないが青春ラブストーリーとしてキラキラしてて感動的。
池田エライザが美しく輝く瞳がとても印象的で、対する阿達慶も未来人らしい佇まいを上手く表現している。
そこからのサスペンスの流れも見事、そして終盤にかけてのまさかの凝りに凝った展開が面白い・・・とただ観ているときは思ったのですが、かなり引っかかるものが。
いくらなんでも「クラス全員」はやり過ぎ。
ありえない、せめて女子全員では?
祭りの夜に30回も入れ替わり立ち替わり射的をしたの?
それにしても茂、天才じゃね!
彼が一番作家向き、才能がある。
そこまで真面目に見てたこっちがバカを見た感じ。
憧れの彼も盗られて、悪役がリライトしたシナリオ通りの歴史が完結して、非常に後味が悪い。
「リライト」という名の盗作で成功してしまうのが納得いかない。
キラキラした自分だけの大事な青春の想い出を茶化され汚されて、踏みにじられ、さらに盗作作家の汚名を着せられたままの主人公。
33股かけられて騙されて、無理やり小説を書かされ人生まで変えさせられた、クラスメイト達。
こんな話がいいわけない。
オリジナル作品へのリスペクトどころではない。
オリジナルとそれに感動した人々を半笑いでいじってる?ディスっていて、許せない!
この悪ふざけの感じは、ヨーロッパ企画作品でも多少感じたことがあった。
同様の複雑な展開でも、結果みんながハッピーになれたり、ネガティヴなままなら、コメディにして笑い飛ばしたりしないと、気分が悪い。
それこそ、タイムパトロールが登場、悪者は逮捕。
みんなの記憶は修正されて、全員が物書きで成功してハッピーエンドなら納得できた。
観てくれた観客に嫌な思いさせてどうする。