「思いの外、面白い展開」リライト 泣き虫オヤジさんの映画レビュー(感想・評価)
思いの外、面白い展開
予告編で尾道が舞台と知って、興味を持った。大林宣彦監督の尾道3部作は(ビデオではあるが)観ていることと、聖地巡礼的に2度ほど訪れた思い出の地でもあるからだ。 キャスティング的にはやや物足りなさを感じつつも、それなりの期待を持って鑑賞。
【物語】
尾道の高校に通う美雪(池田エライザ)。3年生の夏、彼女のクラスに保彦(阿達慶)が転入して来る。翌日、図書室に居た美雪の前に突如として保彦が現れ、「300年後の未来からやって来た」と秘密を告白する。彼の秘密を共有したことをきっかけに二人は急速に距離を縮め、恋に落ちる。
ある時、保彦の命が危険に晒される出来事がおこり、以前彼からもらった薬を思い出した美雪は助ける手がかりを求めて10年後の世界にリープし、10年後の自分に会う。美雪はそこで未来の自分から保彦の無事を知らされると同時に「少女、時をかける」という本を見せられる。それは保彦が未来で読み、現代にやって来るきっかけになった小説で、「あなたはこれを書ける」と予言される。
タイムリープから戻った彼女は、「この夏の体験を小説に書き、必ず時間のループを完成させる」と約束して未来へ戻る保彦を見送る。そして10年後、予言どおりに小説家となった美雪はタイムリープして来るはずの高校生の自分に会うために故郷に帰るのだが、・・・
【感想】
尾道3部作の尾美としのりと新尾道3部作の石田ひかりの登場でまず気分が上がった。その他にも「ラベンダーの香り」とか、本の題名とか大林作品のオマージュ、レスペクトがそこかしこに感じられた。大林ファンというわけでもないのだが、そういうところに好感を持てた。
ロケ地尾道の町も「ここ行ったぞ」的に十分楽しむことができた。
以上2点だけで、7割方鑑賞目的は達せられたのだが、ストーリーが期待以上に良く出来ていた。終盤は予想もしていなかった展開で、完全に意表を突かれた。 コメディーにしたらもっと良かったかもと思える面白い真相だった。タイムリープものは数あれど、見たことの無い奇抜な発想だった。
キャスティングが地味なため、予想通り興行成績も地味だが、タイムリープSF好きや、ライトに映画を楽しみたい人には勧められる作品。
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