「これは新しい視点だ!」リライト 60代の男ですさんの映画レビュー(感想・評価)
これは新しい視点だ!
[60代男です]
SFが大好きで、タイムトラベルものは映画でも小説でも、おそらく全部見ている。
しかし本作のアイディアは前例がない。
笑えるほどユーモラスなことになる。
あきらかに「時をかける少女」をなぞったような話が展開し、甘酸っぱい青春ファンタジーとして、主人公自身が言っていたように、きれいな時間のループを描いて完結する話に見え、きれいにまとまってはいるものの、新鮮さがまったくないので、池田エライザを鑑賞するだけの価値しか感じられないSF短編が完結しようとする、その瞬間から、あれれ? と時間のループが破綻して、長編ミステリーと化す。
何がどうなっているのか主人公にも観客にも分からない。
面白い。
年寄りにしか分からないだろうが、これは大林信彦・原田知世の「時をかける少女」より原作小説寄り、さらにそれ以上に懐かしきNHK少年ドラマシリーズ「タイムトラベラー」にそっくりな雰囲気だ。
未来人の少年のセリフ回しのおぼつかなさも、好意的に見れば「タイムトラベラー」的だ。
でも、本作には嫌いなところがある。
終盤、主人公が決意をして言う重要なセリフを、観客に教えないのだ。
考えさせたかったと? または言わなくても分かるだろ、か? または考察で盛り上がってくれよ、と?
僕はハッキリさせずにあやふやにしておく描き方が大嫌いなので、この部分のために、かなり楽しめたのに、観終わったときの満足感が2割減だった。
だから★も4っつに。
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