劇場公開日 2025年6月13日

「何かもったいなさ寂しさがあるなあ」リライト ONIさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5何かもったいなさ寂しさがあるなあ

2025年6月15日
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鑑賞方法:映画館

原作は読まずにここまで来てしまった。興味あってあって随分経つのに。それを上田誠×松居大悟という最高の布陣で臨んだはずがそれほど話題になっていないのら何でか。

そんな原作にどれほど忠実かはわからないけど、『時をかける少女』(大林宣彦版)がかなりバッチリなオマージュ案件になっている。ロケーションにもキャスティングにも。の割にはなぜシネマスコープサイズなのかと思ったり、昔の大林宣彦映画がいかに人工楽園としての映画美に溢れていたのかとか画面の凝縮度があったのか、と思ったり、つまり絵の寂しさをいろいろ考えていたらストーリーの本当のスタート、「やって来るはずの私がやって来ない」がやってくる。ここまでが前振りなんだろうけど前振りが前振り消化過ぎてあまり乗れず。そしてさあどうする、も割とテンポはゆったりとす進み、そして同窓会の大暴露大会に入っても一向に盛り上がらない。装置はかなり松居大悟っぽく、もう松居大悟×大林宣彦っぽくもあるがこのやけに盛り上がらない、やけにシーンとした感じは何なのだろうか、と考える。上田誠の脚本は『リバー』もそうだけどループとわかってからの見せ方はもういくつもやりすぎてるくらいだろうからお手のものなのだろうけど、画面が盛り上がらない。『サマーフィルムにのって』ほど盛り上がってくれればと思う熱さがないのは単にメインキャストが30歳近くで高校生を演じなくてはいけないからかはわからない。画面も美術的にも編集にも音楽にも隙というか隙間というかそんなものを感じる。終わってみると話はとても面白かったのだけど、もっと弾け飛んだSFかつ切なSFをみたかったのかもしれない。大林宣彦『時をかける少女』が45歳の時、松居大悟監督が原作39歳どうも年齢の問題だけではなさそう。

ONI
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