「「リライト」とは書き換える事。未来人は32回の「重ね書き」をしてしまい絶望するが、33回目の少女に助けられる。主人公は10年後にすべての真相を知り、自分の人生の「リライト」に歩み始める。」リライト おつろくさんの映画レビュー(感想・評価)
「リライト」とは書き換える事。未来人は32回の「重ね書き」をしてしまい絶望するが、33回目の少女に助けられる。主人公は10年後にすべての真相を知り、自分の人生の「リライト」に歩み始める。
この作品を観てまず最初に感じたことは、「池田エライザの女子高生役はこれが最後かな」という感想です。池田エライザが老けたとかブスになったという意味ではなく、演技の幅が広く実力も高い長澤まさみ様とか柴咲コウの域に達してしまったからという感じです。
未来人が現代に現れるタイムリープ物で場所は尾道、出版予定だった本の表紙画、時々出てくるラベンダーの香り、どこから見ても「時をかける少女(1983年)」のオマージュ作品ですね。筒井康隆の原作は「ジュブナイル」と称されていましたが、同じ作品を今発表したら「ライトノベル」となるでしょう。呼称が変わるという事は、それだけ時代が動いているという事でもあります。受け取り側の感覚がそれだけ変化しているので、主人公も中学生から高校生に変わっているし、主人公がケガを負ったり、家が火事になるようなマイナスイメージのシーンも無いです。
まさか邦画にポリコレの影響が及んでいるとは思えませんが、池田エライザと橋本愛だけでなく、出演者全員が主人公設定なんじゃないかと思わせる謎設定。そして尾美としのりと尾道は許せますが、ラベンダーはどうかと。時かけでは薬品の材料としてラベンダーを求めに来た未来人ですが、ラベンダーの産地は北海道だし、なによりも本作では未来人の動機が希薄過ぎる! 300年前の小説に憧れるのは分かりますが、タイムリープの技術が確立した未来から来たのに、同級生に頼んで超アナログな方法で小説の作者(の素)を探し出すというオッチョコチョイです。
保彦の一連の行動は、バタフライ効果で未来を変な方向に導いたら時空警察がすっ飛んでくる案件ですよ。友恵だって300年後に連れて行って夫婦になったような演出ですから、広島県警に女子高生行方不明事件の捜査本部があるはずです。小説家にしたくない人物には全力で悪口を言っていたのに美雪にはそれを言わなかったり、記憶を消す技術があるならメン・イン・ブラックみたいにフラッシュライトで全員の記憶を消去すれば良いのにやらなかったり、コナンだったら「あれれ~おかしいぞ~?」と言っているでしょう。
あと、細かい指摘で恐縮なんですが、作品に重要なタイトルバックが出てくるタイミングが悪すぎる。美雪が部屋の中にポツンと一人でいるシーンは、観客の心がニュートラルになっている場面なのに、そこにバーンとタイトルが出てくる。これは映画通でなくてもおかしいと思うはずです。私よりはるかに映画に精通している人に笑われてしまうかも知れませんが、タイトルを出すのだとすれば、小説家の美雪が高校生の美雪にささやくシーンか、美雪が夫の章介と一緒に渡船場にいて「リライト」と書かれたノートを閉じるシーンかのどちらかだと思います。
おつろく様
コメント&共感、ありがとうございました。お邪魔します!
おつろくさんは、時かけヲタクなのですね。私はそうでもないのでわからなかったのですが、色々なところにオマージュやら気になるところがあるようですね。
>なによりも本作では未来人の動機が希薄過ぎる!
私もこの辺の設定について腑に落ちない感覚があって、300年もの未来からきた主人公・保彦がものすごい手間暇をかけてやりたかったことの訳がしっくりきませんでした。「サマータイムマシーン・ブルース」もくだらない理由でタイムマシーンを使っちゃう物語でしたが、そこがユニークかつ面白くて、感動までしちゃってと、個人的には大好きな映画なのですが、今作は私にはちょっと合わなかったみたいです(涙)。
赤ヒゲでした。
共感&コメントありがとうございます。
私は同じ作品を劇場で何度も観ることはほとんどないですが、8回も観るなんてすごいですね!
尾道三部作いいですよねー。久しぶりにまた尾道に行ってみたくなりました。
コメントありがとうございました!
1巡目もっと丁寧に撮られてた方が、多数回ループのネタバレのインパクトも大きかったと思います。タイトルバックの位置は記憶にありませんが、ワンループ完了し振り出しに戻る前後が良いのではないかと。正直言って、松居監督作品としては期待値以下でした....😅
共感、コメント有難うございます!
タイトルバックのタイミングが悪すぎる件、同じ感覚の方がいらっしゃって心強いです!当方、脚本、演出の読み込みが浅く、たまに見当違いのレビューしてしまうこともありますのでちょっと不安でした(笑)。
おつろくさん
コメント、共感ありがとうございました。
しっかりとお金を使っているのに寝ちゃったり、途中退出しちゃったりして勿体無いと思わないんでしょうかね。
私は全く真似できないです。
倉悠貴は撮影中、阿達慶をだいぶ気にかけていたようで、屋上シーンなどはホテルで随分練習したそうです(パンフレットによると・・)。そういう関係性が映像にも表れている気がしますね。
橋本愛をあの役に配役してしまうと、絶対何かあるって思っちゃいますよね(笑)
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