「気持ちの良いほどまんまとやられた!タイムリープジャンルにまたまた新たな傑作誕生!」リライト 矢萩久登さんの映画レビュー(感想・評価)
気持ちの良いほどまんまとやられた!タイムリープジャンルにまたまた新たな傑作誕生!
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大林宣彦監督の不朽の名作『時をかける少女』(1983)を想起させるキービジュアルや『ラベンダーの香り…』などの口上、『新・尾道三部作』のミューズであった石田ひかり氏や監督自身の分身、アントワーヌ・ドワルネともいえる尾美としのり氏の配役、そして風光明媚なオール尾道ロケ。
誰もがあの名作の令和のリメイク版、未来人との甘酸っぱい青春SFラブストーリーとイメージしながら劇場に足を運ぶと思いますが、実際はさにあらず。
20年前にSFタイムリープの傑作『サマータイムマシン・ブルース』(2005)を発表、その後も『四畳半タイムマシンブルース』、タイムリープの2分のズレを描いた『ドロステのはてで僕ら』(2020)、さらに2分間の繰り返しを描いた『リバー、流れないでよ』(2023)など常にタイムリープジャンルに新境地を開いたヨーロッパ企画・上田誠氏だけあって、単なるタイムリープラブストーリーで終わるはずはないと思っていましたが、まんまとミスリード、後半以降の想像の斜め上を行く驚きの展開に爆笑と拍手喝采、男の友情譚、青春群像劇としても出色です。
ロケ地・尾道も小津安二郎監督『東京物語』(1953)の石造五輪塔、もちろん大林監督『転校生』(1982)や『時をかける少女』の商店街、坂道やお寺、さらに『さびしんぼう』(1985)の桟橋など心にくいロケーションでばかり、改めて尾道の良さを実感しますね。
早く誰かにネタバレしたい作品、ネタバレを聴く前にぜひお早目の鑑賞をおススメします。
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