シンパシー・フォー・ザ・デビルのレビュー・感想・評価
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やや「退屈」な部分もあるが、それもそれで一つの鑑賞ポイントか
今年70本目(合計1,612本目/今月(2025年3月度)4本目)。
※ お手洗いにいっているため、8~10分ほど鑑賞が抜けている部分があります。
結局のところここや紹介サイト等にある通り、銃で脅された運転手が言われるままに運転するというのが大きな筋で、これに関係するストーリーが付随的に出るという部分はあります(ラストあたり一部除く)。
このため、「ストーリーがわかりやすい」という利点と、もう一つその裏にある「ストーリーが単調でメタ読みがしやすい」点が両方同時に存在し、そこをどうとるかな、につきるのかな、といった気もします。この点あまりこだわらないならおすすめ以上、といったところでしょうか。
ストーリーとしては本当にわかりやすいし、他の方も触れられている通り、「いい意味で」B級映画なので「そんな展開あるわけないだろ」という突っ込みも多々あるでしょうが、それを了知してみるならそこまでの減点幅か?というと微妙な気がします。
B級(A-に近いB級)を見たい方は是非是非といったところです。放映時間が適正であったのも良かったです。
採点上特に気になる点までないので(気になる点はあるが、B級映画であろう点はある程度推知できたので)フルスコアにしています。
⭐︎3.5 / 5.0
期待度△鑑賞後の満足度△ 私の大好きなアリシア・ブリッジの“I Love the Night Life”を使ってくれたので⭐半分どけオマケ。
なんとなくわかった感じ
全然カタルシスないな
2025年劇場鑑賞67本目。
エンドロール後映像無し。
ニコラス・ケイジが悪夢を見せるということで、いや最近同じの観たぞ、と思いましたがこっちの方は比喩でした。
出産直前の妻のいる病院の駐車場に到着するなり赤髪のニコラス・ケイジが乗り込んで来て車を出せと銃を突きつけてくる話。いやちょっと大事な用あるんで他の車にしてくれませんか?ってお願いしてもダメだと断られます。そりゃそうだろ!
この主人公、病院向かう途中に吸ってたタバコを窓の外にポイ捨てしていた時点で好感度は爆下がりでしたが、ニコラス・ケイジも車内でずっと吸ってるし、もうどっちもどっち。
ストーリーとしてはこうなったらやだなぁという方向に全部進むのでめちゃくちゃストレス溜まる上に、最後想定以上の嫌な展開になってもう会話入ってこないわ、と思っているうちに映画が終わりストレスだけが残りました。
罪のない人が次々殺されるのほんと嫌なんですよねえ・・・。
顔を観れば分かる
ニコラスケイジは悪役が似合わないと思ってたけど。
今回は職務質問をするパトカーの巡査を平気で撃ち殺すような気違いじみた役だった。
(パトカーはツープラトンが常識じゃないのかという疑問は残ったけど)
いきなりクルマに乗り込んで銃を向ける男(ニコケイ)から逃れるために運転中のクルマから飛び出して転がり回り負傷する主人公。
その主人公が脱臼した肩をはめ込むシーンでニコケイが「普通じゃできないな」と言いピンときました。
ニコケイがダイナーで何の罪もない高齢のトラックドライバーと店主の男性を殺すのはアレだけど小さな女の子と母親には手を掛けなかったのが救いだった。
ラストの方では鼻をすする観客が何人かいました。子供を持つ人はみにつまされるんじゃないかな。
ニコラス・ケイジの顔芸が秀逸!
ニコラス・ケイジの顔芸がおもしろくて思わず吹き出しそうになるくらい。
ファッションもカッコよく、赤い髪色(しかもフッサフサ!)と赤いジャケットで
実に悪魔っぽいいでたちである。
登場シーンも怪しげだし、もうこれだけで本作にはグイグイ引き込まれた。
やはりというか何というか、このタイトルでオチがわかる。
たぶんニコラス・ケイジ演じるクレイジーな男に憐れみを感じる何か背景があるはず。
そういう見方をずっとしていた。
それがわかるのが後半に入ってからの会話とダイナーで事件を起こす場面。
オチは納得感があれど、ちょっとモヤっとするが、これはこれでアリだとは思う。
それにしても基本的にニコラス・ケイジとジョエル・キナマンの2人劇だし会話劇。
そこにダイナーでも悪魔的な振る舞いによるアクション&追走劇。
そしてラストバトル。
実に見事な演技でおもしろく鑑賞できた。
いろいろなジャンルがてんこ盛りになっており、90分でサクッと観れるし、
エンターテインメントとして秀逸。
ニコラス・ケイジは何でもアリだなと思う。
3/14公開の『ログレッグス』も実に楽しみ。
本作は劇場での集客は厳しいだろうけど、配信で人気が出そうな作品だと思った。
チーズにこだわる鼻水男Ⅱ世
【”仕返しと偽りと欺き。そして、I Can't Sympathy for this Movie.” 今作は、救いのない陰惨で悪魔的で狂的なるロードムービーである。】
すっとぼけ。
妻の出産に立ち会うため病院へ車を走らせるデイビッドの話。
病院駐車場で見知らぬ赤髪の男が後部座席に乗り込んできては銃口を突き付けられ…、車を出せと言われデイビッドの地獄のドライブが 始まる。
周りに座るマナーの悪い鑑賞者のせいでな楽しめない序盤、その後注意をし楽しめる(笑)
何か人違い?!を匂わせ見せ進むストーリー、結局悪いのはデイビッド…、いやっ、ジェームス!!?
話を割られブチギレる赤髪の自己中さと、好きな音楽選曲しては陽気になり踊る姿に何か笑っちゃった。
ドライブ・イン・ラスベガスハイウェイ
シンパシー・フォー・ザ・デビル(映画の記憶2025/2/28)
狂気が顔に出すぎると、嘘っぽさが増す
♪ Let me please allow me to introduce myself ! 夜露死苦!!
“I was number one on the ‘Who’s
Likely To Die’ list for 10 years. I
mean, I was really disappointed
when I fell off the list."
- ロック界で最も悪名高く、魅惑的な伝説を持つ奴の
"snorted father's ashes"より
血液を全て入れ替えた "snorted father's ashes" と語ったコカホリックの古くからの友で、こいつもロック界のレジェンドであり歌い手でもある彼はルシファーの名を借りて傍観者となり、不完全で欠陥だらけの "人" という生き物を眺めている(唯一...Perfect And Complete In Him! コヘレトの言葉より。それと"Nobody's Perfect." 映画『インデペンデンス・デ』も合わせて)
この作品『Sympathy for the Devil』について映画も第四の壁があるために見ている側、すなわち我々観客は常に目の前で起こっている "人" の悪事をただ傍観という見守る立場以上でもそれ以下でもない。だから、ルシファーとは異なり "人" は何も出来やしない。それは... 曲の最後にこんな言葉があるからなのか?
♪ What's my name... なんてね?
オープニングのフィルム・スコアがとにかく映画を印象付けている。
この韻を踏んだようなヴァースの歌い方が
♪ Fears become wishes
I hope that you hear this... etc.
ところでレストランで "NO SUBSTITUTIONS" を見たケイジ演じるジョン・ドウ (John Doe) ことThe Passenger がこんな事を言う。
Can you believe this sh*t?
Does that look right to you?
これだけを読めば何の意味かを理解するのは難しい。でも例えるならファミレスの冷凍で保存されている何時作られたのか分かんないケーキを解凍してお客さんに出すようないい加減な人かな?
いや違う! そんなのを食らうおまえだ! なんてね?(失礼、過激で)
それと今は死語となった「ディスコテック」でかかっていた
アリシア・ブリッヂズが歌う♪I Love The Night Life を
ニコラス・ケイジがジュークボックスから流れる彼女の歌声とハモリながら『サタデー・ナイト・フィーバー』調で踊るあたり彼の人格破壊の演技はイカレている...というか、彼女の歌っているところを見た時、観客の方々が、イカレている。だって誰一人、立ち上がろうともせずに "いい子ちゃん" のように席に着いたままで、真顔でノリノリ(死語?)ではありませんから... ケイジさんの方がノリノリでした!? だから使ったのか?
For the devil may start to envy those
who suffer too deeply and throw them
out into Heaven.
同じような繰り返しのセリフってか⁉
You know, the Japanese say,
the more violent the death,
the higher the heaven you go.
何気ないこのセリフが後にタグラインとしてシノプスの中で効いてきます。
"ありふれたツイスト・エンディング"と吐き捨てるように言うのは簡単でもそれを簡単に片づけることのできないニコラス・ケイジという役者さん。以前、彼は、The Independent(イギリスのオンライン新聞)にこのように語っていた。
“I really don’t like the word actor
because for me it always implies,
‘Oh, he’s a great actor, therefore
he’s a great liar, and [great at]
lying,’” Cage said. “So with the
risk of sounding like a pretentious
a-hole, I like the word ‘thespian’
because ‘thespian’ means you’re
going into your heart.
また彼はシャーマニズムを別の角度から役者との繋がりを語っている。
「初期のシャーマン」は「村を助けるための答えを見つけるために想像力を働かせた」と役者が行うべき道と重ねている。
だからなのか?本作の撮影の前には、いくぶん出血後の血の色に近いダークなエンジがかった赤色の髪の毛とタキシードは彼が撮影前から既に準備していたと聞く...
それに共時性との関連性から『The Hero's Journey』で知られスターウォーズに影響を与え、しかもルーカスのアドバイザー的存在だった神話学者ジョーゼフ・キャンベルのお言葉...
“The psychotic drowns in the same
waters in which the mystic swims
with delight.”
(it means the mystics choose to
believe what the psychotic refuses
to. simply he don't resist the
weirdness of the thought that might
come because it's out of what he
learned.)
(Joseph Campbell, "Psychology of the Future: Lessons from
Modern Consciousness Research" より)
ニコラス・ケイジが唱えるテクニックや物を使って想像力を広げ、自分がそのキャラクターであると信じ込ませる「だまし」を用いた "nouveau shamanic acting" によるとこのキャンベルの世界観は映画『マンディ 地獄のロード・ウォリアー』にもセリフに付け加えられている。
"You don't feel like you're acting,
you feel like you're being" (アクション・スターとクリソツってか?)
普通の俳優とのアプローチの違いは"Western kabuki"になぞらえて語っていた超がつくほどのより自由人で流れに身を任せる “Thespian” に彼はなれるからかもしれない。
I'm David Chamberlain.
- David Chamberlain
- David Chamberlain
このセリフはラストシーンに出てくる。それが意味するところは映画のタイトルとなっている『Sympathy for the Devil』が "史上最も偉大な曲" の一つと知られる♪曲との特異性と共時性を色濃く反映している。そして歌い手は
"It's a very long historical figure
– the figures of evil and figures of
good – so it is a tremendously
long trail he's made as personified
in this piece."
曲の詩では何回も繰り返されている
"Hope you guess my name"
だから...⁉ 何度も何回も言うけど
♪ What's my name... なんてね?
最後に一言
映画の素晴らしいところが一つあるとするなら... 映画全体をシンボライズするBGMであり、映画のシーンを表現しているフィルム・スコア...だから、その歌詞を読み解ければ映画の内容が脳髄を蹴り上げるようにマッチしていることに気づかされてもしまう。
ただし、あんたに "○○○" があればの お話ってか? 失礼繋がりで!?
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