アマチュアのレビュー・感想・評価
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IQ170の逃亡者
妻を4人組テロリストに殺されたCIAの暗号解析・分析課職員が、自らの手で復讐する話。
妻がテロリストに殺されて、勝手に映像分析をして犯人を特定し、上司に打ち上げたが反応が鈍かったことから、上司の弱みをネタに訓練を受けて、自ら犯人のもとに旅立ち巻き起こっていくストーリー。
特殊任務の訓練を受けたけれど、出来る様になったのは爆弾を作れる様になっただけ?というか、そもそも爆弾ぐらいは作れた感じですが…と、結局訓練を受けた成果は自分が、直接殺れないことを知ったことと、ヘンダーソンと知り合ったことぐらいですかね。
仲間の居場所を聞き出す目的もあるとはいえ、なかなかまどろっこしく展開していくし、人柄というか過去の実績からというか、なかなか都合良いサポートも受けちゃうし、なんなら途中から殺れるようになっているんじゃ?
結果として凄腕諜報員みたいになってはいたけれど、あの結末で主人公は満足なんでしょうかね…と感じてしまった。
あわよくば続編…ともとれる様なフリもあったけれど、もしあっても次はもうアマチュアではないよねw
【"CIA上層部の深い闇。”世間的には人民を護る組織の闇を背景に、妻をテロで殺されたCIA下っ端分析官の復讐を描いたカタルシス少なき作品。あと、予告編の出し方を考えさせられる作品でもある。】
■ある日、CIA分析官のチャーリー・ヘラー(ラミ・マレック)の同じくCIAに勤める妻サラ(レイチェル・ブロズナハン)が、出張先のロンドンのホテルでテロに巻き込まれ殺害される。その事実を出社した時に、上層部のムーア(ホルト・マッキャラニー)に呼び出され告げられる。
チャーリー・ヘラーは、その復讐のためにムーアの指示で教官になったヘンダーソン(ローレンス・フィッシュバーン)に銃撃など基本を叩き込まれる。が、チャーリーが極秘情報を得ていると知ったムーアが、ヘンダーソンを差し向けるが既に失踪した後であった。
◆感想
・この映画の予告編は、映画館で50回は観た。サラがテロリストに殺される直前のシーンから、チャーリーがスカイプールをリモート操作で爆破して犯人らしい男を落下させるシーンまでの流れが、完全に頭に入っていた。
だが、本編ではそれは些少な部分であり、もっと驚く様なシーンが散りばめられているだろうと思い、映画館に足を運んだのだが、物語の進行がほぼ予想通りに進んで行くのである。ウーム。
・だが、良かったのはチャーリーが妻の死の真相を探ろうとした際に、元々情報提供者であった”ロシアの50歳の男”インクラワインのデータから分析した”世界各地のテロ行為が、政治的思惑によりCIA上層部の指示により引き起こされていた。”という情報と、テロに関わった4人の男女の素顔が割れて行く様は、面白い。
それにしても、今や個人情報駄々洩れ時代である事を象徴的に描いているな、と思う。
更には、”ロシアの50歳の男”インクラワインが、夫の遺志を継いでいた妻(カトリーナ・バルフ)であった事が分かるシーンと、彼女がチャーリーを隠れ家に匿うシーンかな。
・チャーリーは欧州に渡り、情報屋の女性テロリストをガラス張りの密室で心肺機能に問題があるためにチェックしている場に入り込み、街の花屋で買い占めた百合などの花粉(ル・ポラン)を密室に噴霧し、逃げ出した女性は車に轢かれて死亡。そして、もう一人の男も上記のプロセスで死亡。武器調達の男は、チャーリーに嵌められて爆死していくのである。
だが、何故かチャーリーの復讐行為に対してのカタルシスが起こらないのである。
・チャーリーがヘンダーソンに訓練を受けたのも、彼の戦略であり、ムーアが差し向けたヘンダーソンと、ムーアに疑惑を持つ女性CIA長官が差し向けた男との争いも、全てチャーリーの戦略である事は見ていれば分かる。
チャーリーは、弱っちい振りをしながら実は強かなのである。但し、殺す相手に直接的に手を下せない心理的な弱みを持っているのだが、それ故に観ている側にカタルシスが齎されないのである。
■それが一番分かるシーンは、直接的に妻の頭に銃弾を撃ち込んだシーラが乗船するロシア船に乗り込んだ時の、チャーリーとシーラが対峙するシーンである。
シーラはチャーリーに拳銃を渡して”撃て”と言うのだが、チャーリーは撃たない、というか撃てない。その代わりにリモートコントロールで船をフィンランド沖に誘導し、インターポールにシーラたちを逮捕させるのである。
”そこは妻を殺された男だったら、シーラの部下が銃を向けていても、撃ち殺せよ!”と激しく思ったのであるが、彼はあくまで自身で直接的に手を下さないし、一番の復讐相手だけ逮捕って、他の3人は死亡させたのにオカシクナイか?とさらにジリジリするNOBUであった。
<ラスト、女性CIA長官がムーア達の長年に亘る行為を謝罪するシーンと、ムーアが逮捕されるシーンが映し出される。
そして、チャーリーは普段通りにCIAに出社すると、彼の車に死んだもしくは大怪我をした筈のヘンダーソンが乗り込んできて、彼と握手をするのである。
脳内で”ヘンダーソンは、嫌々チャーリーを殺そうとして、ランドリーでの闘いも防弾チョッキを着ていたのだろう。”と無理やり整合性を取って劇場を後にしたのでありました。>
■2025年4月13日 追記
あるレビュアーさんから、チャーリーがシーラを殺さなかった理由"シーラを殺さなかった事で、CIAのムーア達を逮捕させる。"というご意見を頂いた。成程、と思うご意見でありました。
映画の見方は、改めて深いモノだと思いました。感謝でございます。
おもしろかったけどまあまあかな…
技術屋の復讐方法にワクワク
素人離れ
スパイと言うとジェームズ・ボンドやイーサン・ハントやジェイソン・ボーンのようなスーパーエリートのイメージ。
もしくは『裏切りのサーカス』『ブリッジ・オブ・スパイ』など渋いベテランや『キングスマン』のように新米が一人前に成長していく。
スパイとして完成されていたり、現場主義。
なので本作は目新しいタイプのスパイ。スパイはスパイでも内勤の情報分析官。現場経験は一切ナシ。
情報分析官としては“プロ”だが、殺しのスキルは持たず、工作員としては“アマチュア”。
妻がテロに巻き込まれ、死亡。深い悲しみと喪失と怒りを秘め、復讐を誓う。
どう果たそうとするのか…?
それが本作の見所である。
まず、情報収集。驚くべきは、あっという間に犯人たちを特定。
監視カメラやSNSに上がった投稿映像をハッキング。そこから分析、辿り着く。情報分析官の“目”に掛かれば、秘密など無い。もし、“秘密”があるとすれば…。
上に報告。が、上は動こうとしない。
君の気持ちは察する。が、君の独断で動ける単純な案件じゃない。アメリカや世界、あらゆる作戦に影響を及ぼす。今動かず泳がせ、時が来たら、全てに於いてプラスになる。
最もらしい事を言うが、そんなのは建前。ある時知ってしまったCIAのヤバい隠密作戦の数々。それがバレればCIAの信頼は失墜するし、犯人たちのリーダーがそれらに関与。結局は巨大権力の保身でしかないのだ。
このネタを盾にある条件を要求。自分の手で犯人を殺す事、その為の訓練を受けさせる事。
渋々了承。訓練を受ける事になるが、どれも落第。教官曰く、お前には無理だ。
訓練を受けさせてる間に、盗み出したデータファイルを手に入れようと、職場や自宅やパソコンや全てを捜索。見つかったら、訓練中の“事故”に。
が、なかなか見つからない。そもそも上が企んでいる事など承知。訓練も合格判定など要らない。最低限のスキル…実戦に於いて自分の得意分野さえ身に付けられれば。
全ては計算通り。姿を消す。まんまと身内を出し抜き、復讐の旅へ…。
その頭脳戦には驚かされる。IQは170…!
でも、まだまだ序の口。本領発揮は実際に行動を始めてから。
犯人たちを特定出来たのだから、情報分析を駆使して現居場所の特定も。一人一人に近付いていく。
犯人たちの行動や弱点も調べ上げ、追い詰めていく。
情報分析や行動力は見上げたものだが、いざとなったらの度胸は…。
例え至近距離になったとしても、撃てない。殺せない。
その一瞬の油断が窮地を招く。
メンタルも決して強靭ではない。焦りや狼狽えが表れるとボロが…。
追う側だが、追われる側でもある。訓練時の教官が追跡者。現場のプロ。
孤立無援…ではない。メールでのやり取りのみの情報提供者。素性も居場所も謎。遂にそれらを掴み、対面。似通った所がある“彼女”から強力サポート。
スパイ映画あるあるの複雑な相関図ではなく、登場人物もそう多くはない。が、協力者、追跡者、ターゲット、腹黒い上役などシンプルながら適材適所。ローレンス・フィッシュバーンやカトリーナ・バルフが要所要所で光る。
ド派手なアクション・シーンは無い。しかし、特定~接近~追い詰めていく様、アマチュア故の脆さ、追いつ追われつの攻防はなかなかスリリング。じっくり系のスパイ映画の醍醐味は充分。
ターゲットを追い、世界各国へ。ちゃんと世界を股に掛けるスパイらしさも。
スパイ物のTVシリーズを手掛けた事のある監督の手腕も上々。
だけどやはり、ラミ・マレックが魅せる。
主演映画が『ボヘミアン・ラプソディ』以来というのも意外だが、そのオスカー俳優。
現場経験ゼロのズブの素人スパイが、目的を果たしていく。その様を巧みに。
一人目の時は狼狽えていたが、二人目三人目の時は少しずつ非情にも。リーダーと対した時はピンチに陥ったと見せて、『コンフィデンスマンJP』ばりの仕掛けを。殺して終わるのとは違う、鮮やかな復讐!
『ボヘミアン・ラプソディ』ではカリスマ、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』では悪役…色付けされたキャラが多かった中で、本作の役柄には素に近いラミ・マレックを感じた。
ミッション・コンプリート。
ターゲットに対しても、CIA内部の腐敗も。
ラストシーンである人物と再会。その人物は異動する気はないか?…と言いたげだったが、断られるのも分かっていた。
現場に出たのはこの一回限り。妻の復讐の為。それを果たしたのなら…。
自分には相応しい場所や仕事がある。それだけに留まれるか…?
現場のスパイも驚く活躍を見せた。彼が名スパイでないと言うのなら、何を以てスパイと言うのだろう?
再び現場に出るのは容易ではないだろう。が、その頭脳を駆使して空高く越えてくれるだろう。
チャーリー・ヘラー、次回作でまたお会いしましょう。
物足りなさはあるが、エンタメ作品としておもしろい
ずいぶん前から何度も予告を見せられていたので、それなりに期待していた本作。今回はちょっと奮発してIMAXで鑑賞してきました。
ストーリーは、愛する妻をテロリストによって殺された、CIAのサイバー捜査官チャーリー・ヘラーが、捜査に本腰を入れない上層部に業を煮やし、自ら復讐を果たす覚悟で特殊任務の訓練を受け、持ち前のスキルを生かしてテロリストたちを追い詰めていく中で、事件の裏にある真相が明らかになっていくというもの。
捜査官が私怨から犯罪者に復讐を果たすというのはありふれたストーリーではありますが、主人公がCIAのサイバー捜査官であるという設定がおもしろいです。冒頭から夫婦の仲のよさ、チャーリーの妻サラへの愛が描かれ、復讐の動機は明確で、職場でのチャーリーの卓越したスキルもしっかりと描かれ、このあとの展開を予感させます。
一方で、人を殺すには不向きである性格も描かれ、終盤への伏線としていると同時に、鬼教官ヘンダーソンを登場させる流れも悪くないです。この手の役をやらせたら右に出るものはないローレンス・フィッシュバーンの起用もバッチリです。
その後、じりじりとテロリストを追い詰め、主犯にたどり着くさまもスリリングでよき。アクションもそれなりにありますが、それを情報戦で引き立たせているのが興味深く、ラストも彼らしい頭脳プレーで決着させているのが心地いいです。
チャーリー一人に翻弄されるCIAがややおマヌケに映る面もありますが、組織の根本を担うシステム自体を彼が開発したということなら、それもしかたないことと飲み込めます。それにしても、わずかな映像やデータを手がかりにさまざまな情報を読み解く能力には脱帽です。ITスキルだけでなく、基礎知識、洞察力、それらを統合する推理力がすばらしいです。たとえ最前線にいなくても、彼もまた立派なプロ捜査官として描かれている点も好感がもてます。
ただ、全体的にはちょっと物足りません。チャーリーが最前線で体を張るのはいいのですが、うまく運びすぎるのは説得力に欠けます。劣勢を強いられながらも、ヘンダーソンやCIAの同僚らによる絶妙なアシストによってミッションを完遂するというような展開でもよかったのではないかと思います。インクワラインにしても、扱いがちょっと雑だった気がします。あと、CIA上層部の動きもなんだか中途半端な印象を受けました。
とはいえ、多少の物足りなさはありますが、エンタメ作品としては十分に楽しませてもらえたので満足です。
主演はラミ・マレックで、愛する妻の復讐のために不慣れな前線捜査に身を投じるチャーリーを好演しています。脇を固めるのは、レイチェル・ブロズナハン、カトリーナ・バルフ、ジョン・バーンサル、ローレンス・フィッシュバーンら。
殺し屋を殺しても犯罪にならないの?
CIAで働いているニューヨーカーのチャーリー・ヘラー、チャールズなんだけど自分でもチャーリーって言ってたね。妻のサラがロンドンでテロリストに殺されてしまう。あら、映像あるんだ!?妻の復讐を決意したチャーリー、銃の訓練を受けるが、下手くそ〜!こんなんじゃ、すぐ殺されちゃうんじゃないかと思っちゃった。テロリストを追い詰める為にロンドンに到着したチャーリー、アメリカとイギリスで行ったり来たりになるのかなって思ったら、違ってた。チャーリーが向かった国は、イギリス、フランス、トルコ、スペイン、フィンランド、ロシア、ルーマニアなど、随分移動したね。それぞれのお国柄が感じられて楽しかった。いろんな人達との会話も楽しかった。アクション映画と思っていたが、アマチュアなのでそれほど戦えなかったね。でも作戦のおかげで負けなかったのが、結構意外だったわ。最後も何処へ飛んでったのか意外だったわ。笑えはしなかったけどソコソコ楽しかったです。
じっくりとハラハラしていて楽しめた
レミーのオドオドした顔の緻密さ
レミーマレックが、主役をはる時代がくるなんて。
これをキムタクがやると嫌みだな。
ローレンスフィシュバーンも良かった。
ジェイソンボーンとは、また違うサスペンスだな。
普通に面白かったです。続編も期待。
普通の人がヒーローになるとき
妻をテロ組織に殺されたCIA職員が、復讐に身を投じていく物語です。主人公は現場のエージェントではなく、サイバー捜査を専門とするいわばオフィスワーカー。戦闘の訓練を受けているわけでもなく、むしろ「普通の人」に近い存在でした。そんな彼が、持てる知識と技術を駆使してテロ組織やCIAに立ち向かっていく姿がとても印象的で、ぐいぐい引き込まれました。
クライマックスのシーンは、予告編にも登場していたプールの崩壊で、映像的には迫力がありました。ラストの展開もよく練られていたと思います。ただ、個人的には少しだけ物足りなさも感じてしまって…。もう少し心に残るような余韻やインパクトが欲しかったかもしれません。
もしかすると、この作品はスパイアクションとしてではなく、大切な人を失ったひとりの人間の喪失と再生を描いたドラマとして観るべきだったのかも。そう思うと、また違った感情が湧いてきます。
ガバガバCIA vs 頭良い設定主人公
見ごたえ十分な映画でした!
フレディ・マーキュリーを熱演した俳優が今度はCIAのエージェントを演じるというニュースに、期待と好奇心を抱きながら映画館に向かいました。評価は星3.5前後と聞いていたため、過度な期待はせずに鑑賞に臨みましたが、結果は予想を大きく超えるものでした。映画を見ている最中から、これは間違いなく星5点の作品だと確信し、2時間の間、興奮に包まれました。
主人公チャーリーは、類稀なIQとITスキルを駆使して、妻を殺した犯人たちを鮮やかに追い詰めていきます。その手腕は爽快で、CIA内部の策略も絡み合い、一瞬たりとも退屈させません。伏線が巧みに回収される展開は、まさに「なるほど、あの時のこのシーンはここにつながるのか」と納得させられるほどです。2回観ても十分に楽しめる作品と言えるでしょう。
また、映画「マトリックス」でネオのトレーナー役を務めた黒人俳優が、今回もトレーナー役を好演しています。以前よりもかなり太っているように見えましたが、その存在感は健在で、物語に深みを与えていました。
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