「Into the clouds. Sarah」アマチュア JUNさんの映画レビュー(感想・評価)
Into the clouds. Sarah
ラミ・マレック は007ノー・タイム・トゥ・ダイでダニエル・クレイグ最後の強敵を演じた。
今作ではCIAに所属はしてはいるが、スーパースパイでは無いデスクワーカーの気弱な暗号解読者・チャーリー。
そんな大人しい主人公が自分の持ち得る能力を活かして、テロ事件で殺害された妻の復讐を果たそうとする物語。
今迄のスパイの人間像は、組織の陰謀を暴いたり、危険な国際ミッションに挑むとても強くクールに見える人物。しかし実は人間的で、抑強扶弱を行う正義漢。
そんなステレオタイプからパラダイムシフトした感のあるのが本作。
(現実に映画も対外諜報機関であるCIAが、その制作過程に深く関わっていると言う話しも有り、自らのイメージを操作すべく暗躍している事実は、あまり知られていない。
そう言う意味では、新たなCIAのイメージ戦略かも?)
復讐の戦いを進めて行く中で、多くの妨害や障害が有るが、アマチュア・スパイが段々とタフになっていく姿が頼もしい。
度々、サラとの回想シーンがあるが、最後はチャーリーの目的をやり遂げた安堵の表情。
しかし復讐は達成したが二度と戻って来ない大切な人を想う悲しい気持ちが置いてけぼりになって、行き場を無くしまった様を描いている。
ラストシーンで、サラから貰った最後のプレゼントのセスナ機で初フライトをする。
「空高く舞い過ぎて、迷子にならない様に」とチャーリーを心配してくれた、亡き妻がくれたコンパスが切ない。
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