「派手なアクションシーンは少ない」アドヴィタム 蛇足軒妖瀬布さんの映画レビュー(感想・評価)
派手なアクションシーンは少ない
派手なアクションシーンで目を引く作品ではない。
しかし、その代わりに、
観客をハラハラさせる巧みなカメラワークや演出が光る。
アクション一辺倒ではなく、
ラブ、絆、家族、仲間といった人間ドラマが深く描かれている。
ドラマ成分が多いと感じる観客もいれば、
このくらいのバランスが好みという方もいるだろう、
評価は人それぞれだが、
複雑になりそうな物語を映画のテーマである「〈ad vitam〉(命のため)」に集約させ、
見事にストーリーテリングを実現している点は特筆すべきだろう。
シナリオや演出における工夫、
ユニークなアイデアの数々は、
視覚的にも知的にも観客におもしろい体験を提供する。
特に、95分という短い時間の中でアクションとドラマの割合を絶妙に配分し、
飽きさせることなく最後まで緊張感を持続させることに成功している。
各シーンのテンポや演出は、
全体として高い技術に裏打ちされており、
映画制作におけるチームワークの素晴らしさが伝わってくる。
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