「思い出の味が繋いだプルースト効果」おいしくて泣くとき あおねるさんの映画レビュー(感想・評価)
思い出の味が繋いだプルースト効果
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長尾謙杜さんも當真あみさんもお芝居がお上手なのに中盤に差しかかってもなんだか内容がグダグダしてしまっていて夕花の辛さや痛みが伝わりづらいなと感じました。
心也が大切な栞を渡したこと自体は物語のラストの重要な鍵となるため必要ですが、若い二人が現実から逃げた先の雨の中のシーンや四つ葉のクローバーのシーンなど、諦めるまでの心情の描き方に違和感を感じたり、無理くり感は否めませんでした。
ほんとのほんとの最後、記憶をなくしたまま成長した夕花が、娘の願いにより心也のお店に足を運び、味覚や嗅覚記憶によるプルースト効果によって記憶を取り戻したシーンはグッとくるものがありました。
そしてこの二人が恋人や夫婦として共になる未来ではなく、別々の道を歩み、心也は父の志と店を継ぎ、夕花は建築士になる夢とバルコニーのある大きな家に住む夢を叶えた結末が良かったです。
若いお二人のお芝居の上手さと裏腹に台詞や描写のグダりでほぼ最後のシーンまで感動を削ぎ落としてしまったような部分は勿体なさを感じましたが、Uruさんの主題歌も相まってラストは「おいしくて泣くとき」が何を意味するか理解し観終えることができたので◎
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