「互いの境遇に共感を覚えた高校生男女がゆっくりと距離を縮めていったわずかな時間。三十年の歳月を経た先に再び交叉するまでの軌跡を描いたお話です。」おいしくて泣くとき もりのいぶきさんの映画レビュー(感想・評価)
互いの境遇に共感を覚えた高校生男女がゆっくりと距離を縮めていったわずかな時間。三十年の歳月を経た先に再び交叉するまでの軌跡を描いたお話です。
直近の映画館で鑑賞した作品が、単純には共感が難いもの
だったり哲学的思考が必要な難解作品だったりしたので…。
もっとシンプルに楽しめる作品は無いか と探していて
気になったのがこの作品でした。 ・_・ハイ
鑑賞開始。さて。
鑑賞終了。…。
うーん…。何と言ったら良いものか。
画像は綺麗でした。ですが
ドラマとしては…。いま一つ…としか言いようが…。
恐らく なのですが、
主人公たちに関する「描きたいエピソード」がいくつもあって
こんなシーン入れたいね というのも沢山あって
それらを繋げた際の全体を通してのウェイトやバランスを考慮せず
にただ並べてみました。…と
そんな感じが拭えませんでした。 @△@;;
そのため
主人公たちに対するイジメの場面がやたら強調されてしまい
そのイジメの原因が何なのか、とか
そこまでの事をされる背景も説明不足で、
ただ陰湿なイジメシーンが強調されてしまう前半の展開には、正直辟易
してしまいました。@_@;; ウーン
※「あんのこと」で杏が母から受けた虐待の場面などを思い浮かべて
しまいました…
加えて、主人公たちの行動の動機や、選んだ選択肢も「何故?」となる
ものが多かったという印象です。@△@;;
その結果
画像は綺麗でした。ですが
ドラマとしては…。
という前述の感想になってしまいます。(ました)
ヒロインを演じた當真あみの演技は光ってました。・o・
海の場面など、PVのような映像は綺麗でした。
全体的に、カメラワークには落ち着きがありました。
上記のような点に満足感が見つけられる人ならば、楽しめる作品なの
かもしれません。
ただし、納得感のあるストーリーのドラマを期待すると…
うーん
という結果になるかもしれません。(なった人 はーい)
◆
と、ここまで書いて5日経過。 (最近多いパターン…)
この作品に何を期待したかによって、評価がすっぱり分かれるので
はないかと思うようになりました。
# 出演者に推しキャラがいる ⇒ ★満点に近い高評価
# ヒューマンドラマに期待 ⇒ ★の数かなり控えめ
私は後者の立場で鑑賞しましたので、どうしても…。@_@;;
というわけで、私にとっては残念な作品になってしまいました。
原作の小説があるようなのですが、原作の筋立てはどうなのか
がとても気になっています。(どうしようか悩み中)
◇あれこれ (疑問や納得し難かったコト)
■リアリティを感じなかった場面(一例です)
・冒頭で食堂に車が突っ込む場面
⇒車が引っくり返る程の勢いで店に突っ込んだのに、心也
は全くの無傷。
この場面を始めに「?」な場面が増えていきました。
・四つ葉のクローバーを探す場面
⇒ やたらと草むらをかき分ける動作をしていたが
クローバーの一本一本をちゃんと確認しなければ
四つ葉かどうかは分からないのではないかと。
草むらに落とした何かを探す動作に見えました。
・大事な日記の傍らで焼きうどんを食べる場面
⇒ あんなに近くに形見の日記帳を置いたままで、うどんを
食べるかな? と。(父もなぜ注意しない?)
” あっ ほら 汁が跳ねるっ ”(と観ててハラハラしました)
・取引の条件を示さないまま店の修繕工事を請け負う業者
⇒ が本当に居たら、これはうさん臭くないですか?。
この申し出を、良く受ける気になったものだと感心。
タダほど怖いものは無い。…と思うのですが。@△@
工務店の担当の女性、娘にしては若すぎて気も…
■ 登場しないけど気になった人物のこと
・夕花の母。
高校生パートの時点で生きていたのでしょうか?
・30年後の夕花の結婚相手。
どういう経緯で知り合った相手と結婚したのやら。
それ以前に、頭を打って記憶喪失の夕花はどうやって
生き存えたのかも気になります。
自分の名前も覚えていなかったようなので…
■途中で居なくなった人のその後
・夕花の父
高校生パートの最後では夕花を突き飛ばして転倒させ
記憶喪失の原因を引き起こした。その後は逃げたのか?
・ワルぶった同級生
心也の父が経営する食堂に来ていたようだが、その事実を
明らかにされるのを嫌がっていた。30年後のパートでは
全く登場しなかったが、どうなったのだろう…。
30年前の「こども食堂」とは、利用している事を知られる
のが恥ずかしい場所だったのだろうか?
インタビュー映像を見て過去の記憶がリンクした(?)理由が不明
■設定や現状の説明が不十分に思えたコト(いろいろ @-@)
・なぜああも執拗に子供食堂 が迫害されているのか不明
・ヒロインが女子の間で苛められている理由が不明
・何故三十年も夕花の行方が分からないのか?
・保護観察者(というのか?)がいたのでは?
・アタマを打って記憶喪失になった若い女性を誰が保護したのか
・そして面倒を見てくれたのか(大学を卒業するまで)
・もっと必死に保護者を探すのではないか?
・普通なら警察経由児童相談所経由で施設行きになるのでは?
・警察は保護しに来たのか?
主人公も一緒に同行し、事情を聴くような気がするのですが…。
・警察が保護した後、ああも簡単に居場所が父にバレている不思議。
うーん
本当に沢山あるなぁ と、自分でもびっくり @△@ デス
◇最後に
冒頭の車が突っ込んでくる事故のシーン。
この食堂の土地を狙った地上げか嫌がらせかと思って観てました。
心也(及び父)への嫌がらせは、立ち退きを迫る脅しなのかと。
実際にはそのような展開は無く、実は社会派ドラマだった という
ワケでもありませんでした。単なる事故の被害者として、インタビュー
を受ける心也の姿をTVで観たことが、再会のきっかけになったとする
伏線(?)のようなイベントだったようです。
夕花が30年後にうどんを食べて涙する場面が描かれますが、高校生
パートで心也の父の作る焼きうどんに喜ぶ場面がもっと描かれていたな
らば、タイトルにしっかりと繋がったのになぁ と。
その点も、とても残念です。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
共感ありがとうございます。的確な分析読み応えありました。建屋も店名も心也の見た目も変わっているのにインタビュー映像で確信したのは何故なんだろう、気づいたのは母?娘?とぼーっとまだ考えています。
四つ葉のクローバーを探す場面、やっぱり不自然ですよね。
ツッコんでる人が他にいなかったので、嬉しいです。笑
娘の年齢に関しては、逆に大きすぎるかと。
30年後で夕花が40代半ばとすると、20代半ばの娘がいるなら20代前半で産んでいなければなりません。
(設計事務所まで立ち上げてるのに)
弟が30年探して見つからないより、ここで訪ねてくるのが弟の方が自然だったように思います。
他のところは概ね共感致しました。
ちなみに15歳パートで「もうすぐお母さん帰ってくるから」との発言があったので、夕花母は生きてましたよ。
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。