「自然と涙しました!自分の無力を感じた15歳、そして30年後あの頃を想い出す~」おいしくて泣くとき The silk skyさんの映画レビュー(感想・評価)
自然と涙しました!自分の無力を感じた15歳、そして30年後あの頃を想い出す~
こどもごはんって知ってますか? 最近はこども食堂と言うのでしょうかね。
朝に夕方に家でご飯が食べられない 家に事情の有る児童や生徒へ
無償で提供されている食堂です。
全国にあるそうで、現在10866カ所ほどに成るそうです。
どういう子供達がここに来ているのか、どの様な方々が支援しているのか。
今日はそんな食堂に関係した「おいしくて泣くとき」の鑑賞です。
劇場で予告見た流れでは ふ~んっていう感じだったのですが
実際みてみて 感情の作り演出や流れが良く出来ていたと感じました。
原作は存じませんが、脚本が上手く纏められているのが特徴でしょうか。
そう思います。
最後まで見て、食堂にてあの頃の自分の記憶を想い起こす場面が
非常に良かったでしょうか。
自然と涙しました。最近の映画作品の中では秀作だと思います。
原作森沢明夫氏(おいしくて泣くとき)
監督:横尾初喜氏
脚本:いとう菜のは氏
--------若い俳優陣とベテラン陣-------
風間心也(食堂の息子)役:長尾謙杜さん(なにわ男子)
新井夕花(義理父から暴力を受ける娘)役:當真あみさん
風間耕平(父、食堂営む)役:安田顕さん
風間南(母、病で亡くなる)役:美村里江さん
30年後の風間心也(食堂を継いでいる)役:ディーン・フジオカさん
30年後の新井夕花(記憶喪失)役:尾野真千子さん
主題歌:Uru「フィラメント」
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ここまで書くと、あっ タレントさん主役じゃん~ (=_=)
良い意味でも 悪い意味でも スグに評の的にされちゃうのだが、
この作品での風間心也役の長尾さんは自然体でとてもマッチしてたと感じます。
彼で凄く良かったと思いますね。
中々ね、最初出てくるこの手のタレント系俳優さんは
変なオ-ラ背負って来ちゃう人多いのですけども
長尾さんは そういうのが無くて、次作にも期待でしょうか。
そして、新井夕花役の當真あみさんですね。
二人とも15歳設定役で 実年齢も近く
その辺りが功を奏したのだと感じます。
二人とも爽やかなのが売りでしょうか。笑顔が良いと思いますね。
(流れ展開)
サッカ-部だがケガして活動から遠ざかる風間。家は父が食堂を営んでいるが
母は小さい頃に病で死別。
学校で部活していない人が学級新聞作りに当てられてしまう。
もう一人同様な理由で当てられるのが新井。
彼女は 母が再婚した義父とその連れ子(弟)と実母と暮らす。
実母は出てこなかった様だが 多分夜の仕事系だと思われる。
仕事から帰宅して不機嫌な義父、酒を食らうし 15歳の娘に買ってこいと言うし、逆らうと暴力を振るう有り様。
義父は実子の弟には優しかったが、自分にはキツく いつも弟は姉へ”ごめんね”と実父の事を謝っていたのが健気。ここなんかジ-ンとする。
母ないつも夜の仕事でおらず?食事もままならない。姉弟はいっつもお腹をすかせていた。そんな二人は風間食堂でご飯を食べさせて貰っていたのだった。
だから ここの食堂の息子の心也とは顔見知りの仲なのである。
やがて新聞作りを機に、ひま部を結成。新井が先輩で、部長は風間に。
そんな二人の仲だったが、親がこども食堂をやっている事、来ている生徒のことを噂して馬鹿にする事件が起こる。
イジメを受ける風間、色々言われ親にもう食堂は辞めてはどうかと進言。
彼はまだこの食堂の存在すべき意味を理解していなかった。
人から良い人って?思われたいから 経営しているのかと。
一方、夕花は義父から遠くへ引越しの話(やり直す)を聞いて激しく抵抗したが凄まじい暴力を受ける。
そこに偶然やって来た心也ともう一人のツッパリ生徒が彼女を助け出し電車に乗って遠くへ逃亡劇。お金は父から預かったお歳暮購入代金分しかない。
そして、海へ・・・
母との思い出の海辺。それは家族3人で最後に来た場所だった。
ここで 幸せのクロ-バ-を探す。
きっと 見つかるはず。辺りは暗くなるが夜通し必死に二人は捜したが
どこにも ・・・それは見つから無かった。
落ち込む彼女。自分はこの先もきっと幸せには成れないのだろうと思い込む。
そこで、心也は ハッと想いだし、
彼は亡き母から渡された 大切な形見のクロ-バ-を
そっと彼女に手渡した。
これで 夕花もきっと幸せに成れるから・・・
やがて朝になって、駅ホ-ムで電車を待つ間、
肩を寄せ合って二人は眠る・・・
目を開けたとき、そこには二人の別れが待っていたのだった。
その別れは 彼女の決めた 強い心の表れであったと感じます。
彼の為にも、自分の為にも もう それしか無いことを悟っていた。
やがて 家に戻る 心也。
父へ ”こども食堂を続けてよ・・・”
なぜこの場所が必要なのか 彼が理解した答えだった。
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まぁ こう言う心境に全く触れた事が無い方には
話は刺さらないとは感じますが、
自分ではどうする事も出来ない無力さ、無念さ、永遠の別れを
を知った事のある方は 分かる部分も有ったのではと思います。
ラスト、食堂で注文されるメニュ-と
それを召し上がる 人物。
そのなんとも言えない 記憶を思い起こす優しい表情を見て
自然と頬に暖かいものを感じる事でしょう。きっと。
ご興味ある方は
是非 ご家族揃って
劇場へ どうぞ!!
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