「完成披露試写会」おいしくて泣くとき 豆腐ハラスメントさんの映画レビュー(感想・評価)
完成披露試写会
2025年3月4日の完成披露試写会に参上いたしました。
ネタバレなしで映画全体の感想を述べたいと思います。
まず、情景描写と心情描写のリンクが美しい。
雨などの情景の美しさと、長尾謙社さん、當真あみさんの表情から感じられる儚さだったり、芯の強さだったり、年相応の青さだったりが唯一無二の画を作り出していたと思います。
次に、表情や目から読み取る描写が巧みだったこと。
劇中では長尾謙社さん演じる心也の表情にフィーチャーされた描写が多く、深みのある心情が伝わってきました。長尾さんの、台詞を超えた、言葉では言い表せない心の奥の表情を表現する演技力、恐れ入りました。兎に角、瞳が全てを物語っていました。それくらいに、目の演技が素晴らしい。
そして、本作はラブストーリーでありながら、子ども食堂から見る日本の貧困についても描かれています。
硬くなりすぎず、と言うのは少し語弊があるかもしれませんが、変に構えずに日本が抱える貧困について知ることができるのは良いと思います。
また、貧困とラブストーリーが喧嘩をせずに共存している点も、特筆すべき点だと思います。伝えることは伝えつつ、共存しているからこそ、貧困の話題によって物語全体が重くなりすぎず、恋愛や青春の苦さもしっかりと感じられるようになっていたと思います。
鑑賞中はずっと至る所から啜り泣く声が聞こえていました。鑑賞後には大きな拍手も。ハンカチ必須です。
心震える作品と出会えたこと、感謝します。
そして、俳優・長尾謙社のこれからが楽しみです。
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