「タクシー運転手と乗客の会話劇 そう知っていたから、淡々と進むことは...」ドライブ・イン・マンハッタン yukarinさんの映画レビュー(感想・評価)
タクシー運転手と乗客の会話劇 そう知っていたから、淡々と進むことは...
タクシー運転手と乗客の会話劇
そう知っていたから、淡々と進むことは予想していたけれど
予想をはるかにこえて、ショーンペンの選ぶ言葉や内容が下品
普通にこんな運転手のタクシーに乗ってしまったら、面倒だと思ってしまった
そして、ダコタジョンソンの恋愛模様もどこかしょうもない感じ
この会話で続くのか?
と少し不安を覚えるが、そんな事はあったけれどなかった
後半でダコタジョンソンが語り出す話
それを聞くショーンペンの反応
それまで微かにしか漂っていなかった空気に取って代わる
それを知ってから思い返せば、ダコタジョンソンが不倫相手になにか思っていそうなことも、どこか不安げで、どこか投げやりなことも、説明がつく
そして、ショーンペンが最後でダコタジョンソンに伝えるメッセージ
大人になれば、彼女と同じ経験でなくとも、気持ち的にそんな状況になることはあって、そんなところにその言葉がヒドく突き刺さり、けれど救われたような思いすらする
なにかが解決するわけではなく、ショーンペンにも、ダコタジョンソンにも、また朝が来て、変わらぬ日常が始まる
それでも、この小さな出会いがふたりの心に残したものは確かにあるし、ふたりしか知らないはずのその時間を共にしたような観客の心にも残るものがある
映画館で観てよかった
ショーンペン演じる運転手が、あのチップに気づくのはいつだろう…
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