「生涯に一度限りの会話という「ありえない」体験が二人の「生き方」を変えるーー「人生」さえも」ドライブ・イン・マンハッタン シネマ大好きさんの映画レビュー(感想・評価)
生涯に一度限りの会話という「ありえない」体験が二人の「生き方」を変えるーー「人生」さえも
ものすごく素晴らしい作品である。
(ネタバレは敢えて避けておりますので、ご安心ください)
先ず、脚本が秀逸だ。
ワン・シチュエーションでありながら多面的に「人間」を掘り下げるので、観る者はタクシー車内という密封空間に閉じ込めれることにすら気づくことなく、作品に没入していく。
一見、タクシー運転手と客が、こんなに密接かつ親身に話すのは「ありえない」と感じるだろう。
だが、ショーン・ペンの完全に足る完璧の演技で、ごく自然に「ありえない」会話にストーリーの流れの中で違和感を覚えなくなっていく。
ショーン・ペンは凄い。 声とセリフと表情! 更にちょっとした仕草でキャラクターを「人間」として成立させる。
ダコタ・ジョンソンも、女性ならではの控えめな表情(男を警戒)や言葉遣いや表情から、巧みにショーンの会話に惹き込まれていくのを見事に表現していく。
会話ばかりで「演劇」かと見る前は先入観があったが、まさに「映画」だった。「映画」でなければ、あそこまでの繊細な表情や微かな仕草、、、などを観客に見せるのは不可能だ。
見事な「脚本」と傑出した「人間」がコラボレーションを織り成す稀有な作品だ。
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