「余韻を残す…」Ryuichi Sakamoto | Playing the Orchestra 2014 赤福餅さんの映画レビュー(感想・評価)
余韻を残す…
見終わった後、
「今観た事以外、一切の情報をいれたくない!」と
強く思い(こんな心境は初めてです)、音のならないヘッドホンを耳に早々に帰宅しました。
帰宅し、爽々たる有名な曲達に脳内で再び酔いしれる中、半ばサプライズ的に発表・演奏された曲『バレエ メカニック』にとても強くひかれていました。
最初は「どんな曲?」と思いましたが、
僕には 始めと終わりがあるんだ
こうして長い間空を見てる
音楽 いつまでも続く音楽
踊っている僕を君は見ている
(作詞は矢野顕子さんです)
知ってる、歌える (口ずさむ♪)
ジョン・レノンさんの「イマジン」は平和の象徴の楽曲として世界中で唄われていますが、自分の中ではイマイチ馴染めません。確かにジョン・レノンさんが広くおこなっていた各活動に起因するところが大きいのでしょうが、時代が少し違うためか、壮大過ぎるというか、ちょっとわからないところで崇拝されているように感じています。
一方で「バレエ メカニック」は詩曲ともに自分に合っているというか、望んでいる空気感を持っていました。何十年も聴いていなかった曲なのに、曲に入ると歌詞を口ずさんでいました。
勝手ながらも日本人の『死生観』ってこんな風に一定の決まったリズムを取りながら「ふわっと」しているんだよなぁ。楽しいことも辛いこともあるけれど『始めと終わりは必ず』あるんだよなぁ。と感じ入りました。
坂本龍一さんの数ある楽曲の中から選ばれるとは、幸せな曲ですね。
より一層この曲が好きになりました。
そして最後は、お約束の『戦メリ』で締め括られました。
わかっていたけれども、聴けば終わるというのはツラかったです。
聴きたかったような、聴きたくなかったような心境でした…
観劇後、
亡くなられて随分と日が経つのに「亡くなられたこと」を受け入れる以上に、日々のなかにとけ込まれて「いつでも側にいてくださっている存在になられた」ようなそんな気持ちになりました。
いつまでもみんなの教授であり続けて下さい。
私はこの曲のことを全く知りませんでした。元々有名な曲なのですね。それまでの静かな雰囲気から少し(元気に?)変わったこともあり、「なんかいいなあ」と思っていたら、観客の反応もそんな感じだったので、とても印象に残りました。
歌詞についても全く知らなかったので、このレビューの矢野さんの歌詞や「日本の死生観」の話を読んで、もう一度味わって聞いてみたい気持ちになっています。
ありがとうございました。
「バレエ・メカニック」よかったですね。ジョークで「一番受けたみたいですね」的なことを言っていたが、実際の観客の人たちも、本当にそんな気持ちだったように思います。