配信開始日 2025年4月23日

「オリジナル作品に謝罪してほしい」新幹線大爆破 ひぐまさんさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5オリジナル作品に謝罪してほしい

2025年5月23日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

単純

配信の特権としてイッキ見ではなく2日間に分けて鑑賞した。とにかく前篇(おおよそ救援列車のくだりあたり)を見た翌日は早く後半を見たいと本当に仕事も手につかなかった。

結果:ひどくがっかりした。

役者さんたちはみんな頑張った。胸糞悪い役回りもあったのだが、それでもみな評価したい。◎は草薙くんとのん。△は今野くんと要くん。×は子役以外にいなかったんじゃないかな。
問題は脚本と演出にある。何故日本人の映画監督には特撮は並外れて撮れるかわりに人間ドラマは疎かにする連中が多いのだろうという結論だ。樋口しかり庵野某しかり山崎某しかり…。
中盤の「最初の犠牲者」が出るシーンなどは肉親〇しではないか。多くの乗客を危険に晒し、新幹線も結局爆破したわけであるから、あの犯人への刑罰は極刑しかありえないだろう。そこに気がつくともはや娯楽作品として見られない。
オリジナル作品はどうだったか?結局ひかり号は爆発したのか? 罪もない乗客に〇者が出たのか? 最終的には犯人側の人間しか〇んでいないのではないか。そこにオリジナル作品の矜持を感じ、今作の安っぽく浅ましいストーリー展開が哀れに思えてきた。
胸が高鳴るのは業界内チラ見せのシーンと、絶対に撮影を協力しないJR東海との軋轢がうかがえるシーンくらい。現実にはあり得ない「線路つなげるぞ」もオチを知れば乾いた笑いしか浮かばない。
一体何を見せたかったのか本当にわからない。せっかくのスコープ画角ではあったが、劇場公開はしないで正解だった。オリジナル作品を撮った面々一人一人に謝れと言いたい。「オレたちはコンピューターでこんな場面も作れるのですよ。すごいでしょ」と言わんばかりの、過去のスタッフの流した汗と労苦を嘲笑するような作品なら、リメイクもリブートもしないでほしい。

ひぐまさん