「パニック映画としては満点だが」新幹線大爆破 Kazさんの映画レビュー(感想・評価)
パニック映画としては満点だが
高倉健のオリジナルやキアヌ・リーヴスのスピードと比べても新幹線のスピード感、次から次へと押し寄せる難問、それを解決するさまなど大変よくできている。
特に難問への解決方法が、ハリウッドのように一人のヒーローの大活躍ではなく、多くの関係者がそれぞれの職員技で対処していくというところが日本的でよい。
JR職員を演じた俳優、特にのんは緊迫感と責任感を感じさせる素晴らしい演技だと思う。
一方それ以外のキャストはやや類型的・漫画的で物足りない。
要潤演じるニートYoutuberや撮影クルーなど、自分が死にそうな状況にもかかわらず能天気すぎる。
首相補佐官は数百人の乗客を見捨てるかなり重大な決断を安易に発言しているように見えてしまう。(たとえ大局的にみて正しい判断だとしても本人はもとより首相の辞任も避けられない。)
最大の弱点は犯人だ。
その心情は理解できなくもないが、それにしても数百人の乗客を道連れにするというのはあまりに飛躍しすぎている。
また特殊な技能やコネを持っているようには見えない犯人が複数個所に爆薬を仕掛け、複雑な起爆装置と解除装置を開発・装着するというのはやはり納得するのが難しい。(作品中で明かされたのは爆弾の入手経路のみ。)
ラストはアクション映画としては満点。
ただドラマ的には犯人が自殺するか犯人の心臓を止め、爆弾を解除するという展開の方がよかったように思う。それだと後味が悪いというならその後速やかに蘇生措置で一命をとりとめるというのもありかと思う。
いろいろあるがこういう映画が日本で作られたというのはうれしいことだ。
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