「この映画は映画館で観せてよNetflixさん。」新幹線大爆破 アベちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
この映画は映画館で観せてよNetflixさん。
50年前の名作「新幹線大爆破」がNetflix製作で配信となれば観ないわけにはいかない。
物語は前作が実際に起きた「ひかり109号事案」として存在し、当時、警察に追い詰められて爆死した古賀(山本圭)が警察の策略で射殺したことになっていた。結局そのことが巡りめぐり今回の実行犯の犯行動機になっていた。かなりこじつけ度が高いが前作へのオマージュということでいいだろう。今回は時速100kmを切ると爆発する仕掛け(前回は80km)で舞台は函館まで延伸した東北新幹線(前回は国鉄時代の東海道新幹線)である。この50年の間にITテクノロジーはめちゃくちゃ進化したし色んな爆弾も存在するのでなんだってできそうなので解除方法を複雑にするのも当たり前だろう。又映画のVFXの進化と百戦錬磨の樋口監督の演出で爆発シーンや新幹線同士の接触シーンは迫力抜群だった(映画館で観たかったわぁ)。
しかし最後のところは人間の叡智が解決に導く。それは政府や警察ではなく新幹線の運行に直接かかわる総括司令長(斎藤工)車掌(草なぎ剛)運転士(のん)らの極限状態にも屈せず行動した人たちの献身的な姿勢があったからである。だが、人間ドラマとしては高倉健、宇津井健、千葉真一らの重厚さの方が一枚上だったように思う。そんなかでは物語の重要な役割を演じた豊嶋花が良かった。冷めた目で見つめる先に彼女の希望はない。現代版の映画としてこの作品を作ったのなら、もっと彼女にフォーカスし心の闇を描いた方が映画は締まったものになったのではないかと思います。
いずれにしても映画を作ってくれてありがとうございます。楽しめましたよ!
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