配信開始日 2025年4月23日

「JR東日本の好感度が爆アゲで、MVP確定な作品。」新幹線大爆破 ソビエト蓮舫さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0JR東日本の好感度が爆アゲで、MVP確定な作品。

2025年4月27日
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鑑賞方法:VOD

興奮

驚く

ドキドキ

まず第一に、1975年版の続編という位置づけだったが、
戦争未体験の人間が戦争映画を見ちゃだめなんて理由は、この世には存在しない。
同様に、映画も前作を観てなくても伝聞程度の知識で続編が楽しめなくては、
その続編映画は失敗という事になる。

だから、75年版は未視聴で今回の続編を鑑賞したが、何の問題もなく楽しめたし、
75年版の映像がリスペクトと共に、随所に見られる作りでもあったから、
鑑賞後に75年版を観たくなった。

第二に、犯人が隠されているストーリーなので、犯人は伏せておくけれど、
犯人役の人がめちゃくちゃ良かった。ちょっと驚いた。個人的に、犯人の住所公開で笑った。

第三に、生き延びて欲しい人と、死んで欲しい人との割合が、
最適解バランスで良かった。
死んで欲しい人は理想的な、死んで欲しいキャラクターだったし、
死んでざまあみろと思える●●だったし、映画以前に嫌いだったので、最高だった。

そしてこの最適解バランスは、撮影に全面協力したJR東日本の、
社長になった気分で考えれば、すぐわかるはず。
協力会社でもあり、別の見方をすればスポンサーでもあるので、
そのバランス具合にケチをつけるのは、大人の事情が分からない、子供じみた痛い大人に思えてしまう。

第四に、JR東日本の会社イメージがだいぶ良くなった。何から何まで太っ腹過ぎる。
第三で示した続きになるが、この会社の全面協力が無ければ、
「ブレット・トレイン」のような近未来的新幹線の、
パラレルワールドを用意するしか、選択肢は無くなる。

この映画から新幹線部分の映像的リアルさを感じたのならば、
それはJR東日本の功績が第一で、制作陣は二番手でしかない。
MVPはJR東日本だった。

第五に、時間的制限と物理的制限の双方から、主人公たちを追い詰める、
絶望感の作り方、追い込み方が良かった。
たとえて言うなら、飛行機モノパニックスリラーだった韓国映画、
「非常宣言」みたいな追い込み方で良かった。

第六に、この作品は、現場勢の草彅剛や、指揮系統勢の斎藤工をはじめとする、
「大人達が追い詰められて奮起する映画」であり、
クライマックスにかけて「大人をなめるな」的要素、
すなわち「バトル・ロワイヤル」の、真逆な立ち位置設定の、
サバイバル映画とも言えるので、オジサンやオバサンほど、何かを感じる可能性がある。

特に仕事をしていると、大なり小なり、緊迫感を伴う決断が迫られた場面の1つや2つは、
日本のオジサンやオバサンは経験しているはずだ。
作中の草彅剛や斎藤工ほどの大きな決断は、さすがにほとんどいないだろうが、
大人の応援映画でもあった所が個人的にはグッときて、
ラストはちょっとだけ目が潤んだ。コレは予想外だった。

一方、気になる所は、個人的には「流血量」のくだりと、
修学旅行生達の生意気具合と、
ちょーしに乗ってる感じが、
いつものように嫌い要素で拒絶反応が出たくらいだった。

良かった演者
草彅剛
尾野真千子
のん
田村健太郎
豊嶋花
黒田大輔
大後寿々花
斎藤工
大場泰正
西野恵未

ソビエト蓮舫