「おそらくは「レビューや感想で○○と書かせること」を主軸とした、第四の壁的な構造があるのかな、と思った」マッド・マウス ミッキーとミニー Dr.Hawkさんの映画レビュー(感想・評価)
おそらくは「レビューや感想で○○と書かせること」を主軸とした、第四の壁的な構造があるのかな、と思った
2025.3.13 字幕 MOVIX京都
2024年のカナダ映画(80分、R15+)
あるゲーセンで起こった惨劇を描くパブリックドメインをおちょくったホラー映画
監督はジェイミー・ベイリー
脚本はサイモン・フィリップス
原題は『The Mouse Trap』で「ネズミ取り」という意味
物語は、カナダにあるゲームセンター「ファン・ヘイヴン」を舞台にした連続殺人事件の事情聴取の様子が描かれて始まる
店は、アレックス(ソニー・マッキントッシュ)とジェイナ(マデリン・ケルマン)が店の雑用をこなし、店長のコリンズ(サイモン・フィリップス)は、自室で敬愛する「蒸気船ウィリー」を見ながら酒を嗜むのが日課になっていた
彼の部屋には貴重なミッキーのマスクがあり、壁にもいろんなものが飾られていた
ある日のこと、閉店間際に残業を言われたアレックスとジェイナは、渋々ながらも追加賃金に釣られて残ることになった
だが、ジェイナは「一生のお願い」とばかりに「彼氏と会うので閉店まで任せる」と言って出ていってしまった
アレックスは一人で仕事をすることになったが、その残業は3時間で8人の貸切となっていて、その後始末をすれば良いと考えていた
アレックスがバックヤードに向かうと、そこには従業員らしき男がいたが、彼はなぜかネズミの被り物をしていた
不審に思ったアレックスが店に戻ると、そこには彼女の幼馴染のマーカス(カラム・シウィック)やホッケー部のライアン(ベン・ハリス)などがいて、彼らが店を貸し切っていたことがわかった
前倒しのバースディパーティーを開くことになったのだが、事件はその夜に起こったのである
冒頭の事情聴取には、その事件の生き残りとされるレベッカ(マッケンジー・ミルズ)だけが参加していて、警察は彼女が関与しているのではないかと疑っていた
だが、レベッカは淡々と起きたことを話し、刑事のコール(ダミール・コビッチ)とマーシュ(ニック・ビスクベック)は、彼女の話を傾聴するしかなかった
殺人犯が現れるところから、誰がどのように殺されたかを詳細に語る彼女だったが、レベッカは救急車内で聞いたというばかりだった
映画は、彼らの店以外でも、ある別荘にてカップルを含めた4人が狙われ、ライアンの友人のホッケー部の連中も狙われ、パブリックドメインについて語るビジネスマンも餌食になっていく
別荘の唯一の生き残りのキャロル(Sabirina Knappett)は事故で怪我を負った女性だが、彼女を生かして追いかけていく理由などはわからない
犯人に関しても、コリンズではないかと思われていたが、彼はポストクレジット後に車に乗って登場するので除外されるので、考えられるのはレベッカと映画には登場しない誰かということになる
ミッキーと呼んでも良いのかはわからないが、映画内でも誰もミッキーとは呼んでなかったようにも思えるので、この映画はあくまでもパブリックドメインになっている「蒸気船ウィニー」に出てくる白黒のネズミのようなキャラクターということになっている
なので、邦題の「ミッキーとミニー」の言葉の方が著作権の侵害に当たらないのかなと思ってしまった
いずれにせよ、パブリックドメインをおちょくっている内容で、冒頭の字幕演出も明らかに狙っているし、劇中のビジネスマンのセリフも監督とプロデューサーの話し合いなんじゃないかと思ってしまう
英題は『The Mouse Trap』ということで「ネズミ捕り」という意味になるのだが、まさしくこの映画を評価するときに「ディズニー」と結びつけているよう表現をさせることを目的としている
それを考えると狡猾な罠ではあるものの、映画自体が大して面白くないので、あえて語る必要もないのかな、と感じた