「海苔師に二言は無かッ‼️」ら・かんぱねら 活動写真愛好家さんの映画レビュー(感想・評価)
海苔師に二言は無かッ‼️
佐賀の海苔師である主人公・徳田時生はある日、フランツ・リストの「ラカンパネラ」の音色に魅せられ、自分も弾いてみたいと思うように。それから家族を巻き込んでの時生の奮闘の日々が始まる・・・‼️結論から言うと可もなく不可もなく、フツーにイイ物語、フツーにイイ映画‼️私の地元である佐賀が舞台なのに徳田時生さんの事は全く知らなかった‼️主人公がピアノの特訓に励む描写と本業である海苔業のために海で悪戦苦闘する様が並行して描かれるのですが、結果どちらも中途半端になってしまった‼️海苔業では漁場の権利獲得のためのクジでの一喜一憂や、作業場の停電くらい‼️ピアノの練習も、ピアノを提供してくれる老女との交流、支えてくれる妻、夢をあきらめて帰省した息子、病気の父とのエピソードは素晴らしいと思うのですが、肝心の主人公が「ラ・カンパネラ」という難曲に挑戦する上での挫折や再起といった描写がイマイチ‼️もうちょっと主人公の内面の感情描写を観たかった‼️そしてピアノを取るか、海苔を取るか、くらいの極限のドラマを観たかった‼️ノンフィクションだから仕方ないかもしれませんが、少しくらいの脚色はあっても良い気がする‼️そしてラスト、大観衆の前での演奏会かと思いきや、今まで支えてくれた妻の誕生日と夫婦の銀婚式を兼ねた二人だけの演奏会‼️作業服姿で正装した主人公とドレスアップした妻‼️主人公が演奏しながらの二人の思い出がフラッシュバックするシーン‼️本来なら感動するシーン‼️伊原さんと南さんの演技は素晴らしいし、画面構成もイイと思うんですが、肝心の「ラカンパネラ」という曲自体がシーンの盛り上げに貢献してないような気がしました‼️これは「ラカンパネラ」という曲の責任ではなく、元々こういうシーンに向かない曲のような気がする‼️ショパンの曲が素晴らしい効果を見せた「リアル・ペイン 心の旅」を観た後だから余計にそう思ったのかもしれません‼️ただちょっと方言感はあるのですが、佐賀弁をうまく使いこなしたキャストの皆さんは頑張ってるし、お馴染みの佐賀の風景を見てると安心感はあります‼️そして砂時計と奥さんの財布といった小道具の扱いは絶妙‼️「盗るな!」「招待状」‼️監督の鈴木一美さんも今作が監督デビュー作であることを考えると、なかなかの佳作ではあります‼️
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