ら・かんぱねらのレビュー・感想・評価
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いつからでもやれば出来るようになる
佐賀の有明海で、30年以上厳しい海苔師として働いてきた徳田時生は、繁忙期が明け、酒を呑み、パチンコに通いつめる毎日を過ごしていた。そんなある日、自宅のテレビから流れてきたピアノの音色に衝撃を受け、自分も同じ曲を弾いてみたいと思うようになった。その曲とは、難曲として知られるフランツ・リストの「ラ・カンパネラ」だった。それまで音楽とは無縁の人生を歩んできた彼は楽譜すら読めないのにいきなり楽器店に行き楽譜を購入し、タブレットを参考にして1日4時間から8時間ピアノに向かい練習を重ねていった。そして・・・という、実話に基づく話。
リストの超難曲、ラ・カンパネラを独学でピアノ演奏出来るようになった九州の海苔師・徳永義昭さんの実話を基にしたそうで、YouTubeで彼の演奏を聴いたらホント素晴らしかった。
徳田時生役として伊原剛志が主演を務め、彼も猛特訓して実際に「ラ・カンパネラ」を演奏したそうだが、本物の素晴らしさには足ものにも及ばなかった。ラストのピアノ演奏はイマイチだったので、せっかくなら音源は徳永さんのを使って欲しかった。
南果歩の妻役がなんとも言えず健気で素晴らしかったのと、大空眞弓を久しぶりに観れて、貫禄あるなぁ、と思った。
伊原剛志の努力に脱帽
伊原剛志演じる時生くん(南果歩演じる妻がそう呼ぶ)の
ラ・カンパネラを弾きたいという強い思いが
妻への感謝だったことが最後にわかるのだが、
にしても、この努力は尋常ではない。凄まじい。
自分だったらできない。
そして、この役を演じるために伊原剛志自身が努力をしていることに
もう脱帽である。
また、南果歩の演技も抜群にうまく、彼女なしでは本作は成り立たない。
加えて、時生くんを取り巻く人たち(家族含む)との関係性が
実に心温まるのだ。
ピアノとヒューマンドラマの2軸が最後に収斂されるとともに
時生くんのラストショットで全てが報われた気がした。
後半の船で時生と妻の会話シーン、
ラストを迎えるピアノ演奏シーンでは感涙。
鑑賞後感も気持ちいい。
思いの外良い作品だったし、何より思いの外観客も入っていて(サービスデイではないので実力かと)
嬉しかった。
全く色合いは異なるが、俳優が尋常じゃない努力をして歌唱&演奏をするのは
『名もなき者』を思い出した。
俳優に求められるレベルが高いと思うし、自ら演じようとする俳優にもリスペクト。
ラスト10分で駄作に成り下がった。
30代おっさんです。茨城県からイオンシネマ多摩センターまで3時間かけて観に来ました。
本作は海苔漁師徳永さんがフジコ・ヘミングさんのラ・カンパネラを演奏する様子をTVで観て、その演奏に感銘を受けて同曲を習得に至った実話をモデルにしています。同曲はプロも嫌厭する超絶技巧の難曲で、当時50歳を過ぎた素人の徳永さんが独学で狂気と執念の練習の末、習得したことで、世間は驚き、話題にもなりました。またフジコ・ヘミングさんも20年ほど前に、NHKで悲運のピアニストとして取り上げられ、老齢になってからブレイクしたドラマ性の高い人物で、ブレイク当時、同氏のラ・カンパネラのCDを聴いて感動したのを覚えています。ちな私も小学生〜中学生時にピアノを習いましたが(エリーゼのためにをなんとか弾けるという初心者レベルで終わりましたが)ラ・カンパネラ弾きたいとピアノの先生言ったら「無理」と一刀両断でした笑。
そんなとんでもない難曲を弾けるようになったおっさんをモデルにした映画、大きな期待を持って観ました。
それでこの映画の感想ですが、結論は残念な出来ですね。いや良かったんです。最終盤の手前までは。主人公の海苔漁での苦悩、息子、特に妻との関係、ありきたりなストーリーではありますが丁寧な構成と描写で、その苦悩の中でラ・カンパネラに出会いピアノに没頭して行く、伊原さんと、南果歩さんの演技力も相まって何度も泣きました。
しかし最後が、その諸々の苦難葛藤を乗り越えた先に結実するラストの主人公によるラ・カンパネラの演奏シーンが…なんというかあまりにも演奏がたどたどしくて、いくらなんでもこれは下手すぎるだろと。いやモデルになった徳永さんはもっと全然うまかっただろと。流石にこの映画内の演奏では世間も驚かないし、感動するのは身内くらいだろと。いやもしかしたら徳永さんも一通りかろうじて弾けるようになった覚えたてのころはあのくらいだったかもしれないけど、そこは映画なんだから、エンタメなんだから、今のリアル徳永さんの音源でも持ってきてくれば感動号泣大団円で終われたのに😱もうエンドロール時には中盤まで出ていた涙は引っ込んで乾いた笑みしか出ませんでした。
私の期待と移動時間返してください。
実話がこんなに感動出来るなんて
海苔師に二言は無かッ‼️
佐賀の海苔師である主人公・徳田時生はある日、フランツ・リストの「ラカンパネラ」の音色に魅せられ、自分も弾いてみたいと思うように。それから家族を巻き込んでの時生の奮闘の日々が始まる・・・‼️結論から言うと可もなく不可もなく、フツーにイイ物語、フツーにイイ映画‼️私の地元である佐賀が舞台なのに徳田時生さんの事は全く知らなかった‼️主人公がピアノの特訓に励む描写と本業である海苔業のために海で悪戦苦闘する様が並行して描かれるのですが、結果どちらも中途半端になってしまった‼️海苔業では漁場の権利獲得のためのクジでの一喜一憂や、作業場の停電くらい‼️ピアノの練習も、ピアノを提供してくれる老女との交流、支えてくれる妻、夢をあきらめて帰省した息子、病気の父とのエピソードは素晴らしいと思うのですが、肝心の主人公が「ラ・カンパネラ」という難曲に挑戦する上での挫折や再起といった描写がイマイチ‼️もうちょっと主人公の内面の感情描写を観たかった‼️そしてピアノを取るか、海苔を取るか、くらいの極限のドラマを観たかった‼️ノンフィクションだから仕方ないかもしれませんが、少しくらいの脚色はあっても良い気がする‼️そしてラスト、大観衆の前での演奏会かと思いきや、今まで支えてくれた妻の誕生日と夫婦の銀婚式を兼ねた二人だけの演奏会‼️作業服姿で正装した主人公とドレスアップした妻‼️主人公が演奏しながらの二人の思い出がフラッシュバックするシーン‼️本来なら感動するシーン‼️伊原さんと南さんの演技は素晴らしいし、画面構成もイイと思うんですが、肝心の「ラカンパネラ」という曲自体がシーンの盛り上げに貢献してないような気がしました‼️これは「ラカンパネラ」という曲の責任ではなく、元々こういうシーンに向かない曲のような気がする‼️ショパンの曲が素晴らしい効果を見せた「リアル・ペイン 心の旅」を観た後だから余計にそう思ったのかもしれません‼️ただちょっと方言感はあるのですが、佐賀弁をうまく使いこなしたキャストの皆さんは頑張ってるし、お馴染みの佐賀の風景を見てると安心感はあります‼️そして砂時計と奥さんの財布といった小道具の扱いは絶妙‼️「盗るな!」「招待状」‼️監督の鈴木一美さんも今作が監督デビュー作であることを考えると、なかなかの佳作ではあります‼️
思いの外 良作だった。
地元が舞台なので見に行きました。思いの外よかった。海苔農家のおっさんが、一念発起してラ・カンパネラをがんばって弾く、ただそれだけなのに、なんかよかった。ラストで奥さんの前で弾くんだけど、これが下手くそで、たどたどしいんだけど、それがリアルでよかった。しかも曲の後半、そこそこ上手くなっていて、全く弾けないピアノ初心者が、段々にマシになっていく過程を表していて、それもよかった。
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