「何ものにもなれなかった男の青春コメディ」「桐島です」 Koichiさんの映画レビュー(感想・評価)
何ものにもなれなかった男の青春コメディ
連続企業爆破事件のころに小学生だったので、よく覚えている。桐島の手配写真は毎月行く近所の散髪屋に貼ってあったし、馴染みの顔に犯罪歴。この人が一体どんな人生だったのか興味を持って観た。客席は彼と同じ世代と思しき人が多かった。なし崩し的に巻き込まれていく桐島、逃亡続ける桐島、世代に取り残される桐島、真面目に働く桐島、ライブハウス通いする桐島、丁寧に描かれている。それだけに思想的にも活動にも全く共感出来ない自分には「青春コメディの良作」だった。最後に出てくる過激派のコメントすら時代錯誤と身勝手な自己正当化に吹き出しそうになった。おそらく〜だけど、桐島はそんな彼らを観てもしらけきった顔をするんじゃないだろうか。
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