「ボブもケイスもカッコよすぎる…」神は銃弾 瑞さんの映画レビュー(感想・評価)
ボブもケイスもカッコよすぎる…
前評判は決して高かった訳ではないが、私は面白く観た。確かに、人間関係がわかりにくかったり、残酷な描写が多かったりと欠点はあるのは認める。だが、それにも増して、物語に緊迫感があり、どんな結末が待っているのだろうかという先が読めない展開があった。このミスの海外編で1位となった当時、文庫本を買って読み始めたが、すぐに挫折した苦い経験があったので、どんなストーリーなのか知りたいのが、第一の鑑賞動機だった。封切で観に行こうと思ったが、公開2週目で、夕方の回しかなくてあきらめた。ボブは保安官とはいえ、事務方というのもみそ。バリバリの捜査力があるとは思えなかった。しかも相手は神出鬼没のカルト集団。ケイスの助けがなければ、どこから手をつけたらいいかわからなかったのではないだろうか。一方、初めケイスはなぜ協力を申し出たのか、わからなかった。そして、観客はボブと共に、よく訳がわからないまま振り回されて困惑してしまう。しかし、話が進んでいくうちに、二人の関係性が変わっていく。私はボブがケイスの命を大事にして粗末に扱わないところが好きだ。ケイスがちゃんと落とし前をつけたところがすてきだと思った。それから、ラストもとても納得がいく終わり方でよかった。最近観た「ブルータリスト」や「教皇選挙」などは、思いもよらない事実が終盤に出てきて戸惑ってしまったからだ。そうあってほしいと願った終わり方だった。「神は銃弾」というタイトルの意味がわからなかったが、少しわかった気がする。
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