映画を愛する君へのレビュー・感想・評価
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途中挿入される映画館エピソードがいい感じ
正直そこまでデプレシャンが好きというわけでもないのだけど、その存在を知った時から観たかった映画。みんなが言ってるようになんとなくゴダールの映画史ではないけどもう少しカジュアルなシネエッセイ的な小品。
とはいえ、途中のコッポラの映画に並ぶふたりの女の子と関係を持つというエピソード(片方が雨に濡れてスタイルカウンシルが流れてるとこ)や、ひなぎくをシネクラブ上映するとことかの劇映画の感じが好きで無限に観ていられる。映画館で映画を観るという行為の考察とか、映画文化の真髄を探ろうとしつつ、終盤はほぼ『ショア』と私。そしてラストカットのシナリオ書いてるバックショット通り、もう誰に観てもらうでもなく映画の考察なのだけど、まったく嫌にならない。
劇場は居場所。
祖母に連れて行ってもらった映画館、…で観る映画は格別だと知った6歳少年ポール(アルノー…)の話。
劇場で観た映画を機に、映画にのめり込み、映画部、評論家、映画監督に転身する本作監督アルノー・デプレシャンの自伝的作品。
アルノー・デプレシャン監督をポールという名の役名で見せ…、本作観てて嬉しかったのは映画好きと変わらないスタンス、基本1人映画、座る場所は決まってる、好きな作品は2度、3度と観て作品を解ろうとするなど。
レビューサイトでレビューする方は基本観る専だと思うけれど、監督ならではの目線、カット割り?!撮るシーンのアングル、拘りを作品を観ながら、この撮り方は考えられたとか…、流石にそこまで考えて作品は観ませんしね私は。
ただ子供から大人へと行き来する見せ方がちょっと分かりにくかったかも。本作のタイトル「映画を愛する君へ」ってタイトルは120点!このタイトルに惹かれ観に行った!
映画としてどうなのか
レビュー評価が高いのを見ていたせいか、観る前にハードルを上げてしまっていたようです。面白くなかったわけではないですが、観終わっても「1本の映画を観た」という印象がなく、ふわっとした感想しか湧きませんでした。完全なドキュメンタリーではなく、かといって監督の人生をドラマチックに映画化したわけでもない。そこがどっちつかずになった感じがしました。
前半の、映画誕生や、映画を観る異議、映画館自体をテーマに様々な意見をインタビュー等で取り上げて紹介するパートは非常に興味をそそられました。中でも、大阪のミニシアター「シネヌーヴォ」の看板や館内が唐突に映ったところは驚きました。監督の若かりし頃を再現するようなパートも、それなりに興味深かったです。モテモテ自慢したかったただけみたいなシーンもありましたが。ただ、通常の映画とは異なって、後半にクライマックスがあるわけではなく、マチュー・アマルリックの登場シーンがそれにあたるのかな、と思わせる程度で、最後のほうは睡魔と戦いながら観ていました。
そもそもこういう構成の映画だから、こんな指摘をするのは的外れかもしれませんが、正直もの足りなさを感じたことは否めません。「映画1本観た」という感覚がほとんどなかったので、そのまま「リアルペイン」を観に行きました。
「映画を愛する私」
次はどんな映画と出会うだろう
ドラマとドキュメンタリーを融合させた詩的な自叙伝
文句なし!より映画・洋画を観ていきたいと決意した作品
文句なし❗️素晴らしかった。
監督の自伝的映画だが、ドラマとドキュメントの融合作品。
むしろ自分は今までいろんな映画を観てきたが、これで良かったのか見つめ直す事ができた作品でもある。
自分の映画ライフと比較しながら観るとこの作品の価値が更に増す。
早くも年間ベスト級の作品登場。
リピートも確定。もう一度観たい。
おすすめします。自分の映画ライフを振り返る意味でも。
この作品に出会えて良かった。
映画が好きで良かった。
面白い作り
フィクションとドキュメンタリーが合わさった構成で初めは戸惑ったが監督自身がインタビューするシーンがよかった。特にランズマン監督による映画「ショアー」について記事を書いた女性へのインタビュー。「ショアー」は、ホロコーストから生還した被害者、関わった加害者を訪ねて粘り強く証言を聞き映す映画。上映時間は9時間以上だが、一日か二日間か忘れたが大学で仲間と見た。長さは気にならなかった。当時「ショアー」で最も印象的だったのはトレブリンカ強制収容所へ続く真っ直ぐの鉄道線路の映像だ。「ショアー」では全部、現在形で語られる、という指摘を聞くことができただけでこの映画を見た価値があった。ランズマン監督が亡くなったこともこの映画で知った。
実際の映画からのシーンが沢山挟まれていて、冒頭でいきなり来たのが「エイジ・オブ・イノセンス」!ダニエル・デイ=ルイスをスクリーンで見ることができたのは望外の喜びだった。
映画とリアリズム(超私的)
2024年。アルノー・デプレシャン監督。幼いころに映画に魅了され、次第に映画漬けとなっていき、青年期に映画監督になろうと決意するまでの自伝的と思われる過程を、それぞれの時代の映画作品とともに描く。同時に、リアリズムをめぐる映画史的な議論を追いかけて、リュミエール兄弟からアンドレ・バザン、トリュフォー、ランズマンを取り上げて考察する。
個人的に偏愛する作品の魅力を詳細に解説し、その意義を裏付けてくれる理論(リアリズム)を追いかけて自分なりに解釈し、その道筋をフィクションとインタビューを交えて作品化するなどということは、多くの映画ファンが夢見ながらも現実には決してできないことであり、それをやっているのは映画好きとしてはうらやましい限り。ずるい。
もちろん、ここに挙がってないすばらしい作品は無数にあるし(「エイジ・オブ・イノセンス」への評価が高すぎないかとか日本映画は黒澤明「乱」のみでいいのかとか言いたいことはたくさんある)、リアリズムだけが映画理論ではないし、フィクション化するには無数の方法があるから、ダメだしすれば切りがない。しかし一つの作品として結実してしまうのはやはり「うらやましい」が先に立つ。
名曲Ruby's Armsで締められたら…
タイトル通り、映画監督のアルノー・デプルシャンの映画へ愛を沢山込めたエッセイのような作品。
映画の始まりの解説から始まり、映画に魅せられた少年が映画監督を目指すまでを、数々の名画の1シーンと共に切り取った、ちょっと変わった作品。
数々の作品が登場し、知っている作品が出てくると、思わずニヤリとしてしまう。
~映画を好きな人の数だけ、それぞれに思い出深い作品がある~
ラスト、郷愁と憧憬が入り混じった名曲トム・ウェイツの「Ruby's Arms」で締められていて、先人たちに対する感謝と憧れ、そして、これから現れるであろうまだ見ぬ映像への想いがずしっときた。
トム・ウェイツの曲で締めるなんて気が利きすぎてる。
映画を愛するようになった頃を懐かしく思い出す
誰もが共感できる作品
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